当センターのデザインを考案するため、世界的に著名な建築家たちを招いたコンペを実施し、ノルウェーの設計事務所スノヘッタの案を採用しました。それはシンボリズムを積み重ねるというアイデアで、当社の主要ビジネス、すなわち「エネルギー」から着想を得ています。
サウジアラビアの地質に着眼したこのデザインでは、大小さまざまな“岩石”を取り合わせて多様性を表現しています。互いを支え合う岩石は「結束」を表し、センター内で探求される様々な分野が互いに協調していることを意味しています。さらに地中の岩、地表の岩、そして天に向ってそびえ立つ岩それぞれに過去、現在、未来を重ねるなど、建物内部のレイアウトにまで意匠を凝らしています。
アブドゥルアジーズ王世界文化センターは8.5万平方メートルの広さを誇り、周囲に広がる22万平方メートルのナレッジパークとともに、人々の想像力を刺激する空間を作り出しています。
建物の外観は、全長350kmにおよぶスチールパイプに全面を覆われた、他に類を見ないモダン建築となっています。直線でなく曲線を多用するデザインは非常に挑戦的であったものの、サウジアラムコのエンジニアリングの卓越さが、この象徴的な世界クラスの巨大モニュメント建設に活かされました。
新しいエネルギーの源
当センターは、サウジアラビア初の商用油井である通称「繁栄の坑井」に近いダーランに位置します。この地を選んだのは、さらなる繁栄の源、すなわちイノベーションを促進し、変革をもたらすクリエイティブなエネルギーを生み出さんとする、サウジアラムコの決意の現れです。
地上90mの高さのこの建築物は、その象徴的なデザインと最先端技術を調和させ、地域、サウジアラビア、そして世界の文化的ランドマークとなることを目指します。
人々に感動を、地球に優しさを
Ithraは、環境保全と再生に取り組む当社の情熱を反映した、地域で最も環境に優しい建築物です。50%の建築廃棄物、たとえば、木材、鉄鋼、紙などはリサイクルされ、仕上げに使った木材のほとんどはサステナブルな供給源から調達されています。さらに、ナレッジパークには立体緑地が設けられ、15,000種以上の植物が植えられています。当社は現在、その環境保全への取り組みに対する環境性能評価として、LEED(Leadership in Environment and Energy Design)による2つのサステナビリティ認証の取得を目指しています。