アラムコは、炭化水素資源に内在するより大きな潜在的価値を引き出すことを、化学品戦略の中心に据えています。化学品事業へ参入した1998年以来、生産するすべての炭化水素の価値を最大限に高める努力を続け、非石油の収益源となる多様なポートフォリオを築き上げました。
今日最も急速に成長している原油需要部門である化学品には、将来の成長と長期的価値の創造のための大きな機会があります。アラムコでは現在、アロマティクスやオレフィン、ポリオレフィンといった基礎化学品の生産から、ポリオールや高機能合成ゴムなどのより複雑な製品まで、幅広い化学品事業を展開しています。それら化学品は、私たちが日々使用している数多くの製品に含まれ、梱包材や自動車、靴、家電製品などの業界のニーズに応えています。
アラムコの世界的な製油所ネットワークと石油化学ポートフォリオは、戦略的成長市場における当社原油の専用販路の確保につながり、サプライチェーン全体でのコストの管理・最適化を可能にし、とりわけ原油価格変動時の弾力的対応を支えています。私たちのグローバルネットワークには、ダウ・デュポン（SADARA）やエクソンモービル（SAMREF）、シノペック（YASREF）、住友化学（ペトロ・ラービグ）、トタル（SATORP）などグローバルな業界トップ企業との合弁事業が含まれます。
アラムコは、サウジ基礎産業公社（SABIC）の株式70%取得に伴い、当社の複数の石油化学製品とポリマー製品のマーケティング・販売をSABICに、複数のSABIC製品のオフテイクおよび再販売をアラムコ・トレーディング・カンパニー（ATC）に移管する計画です。ATCとSABICは、ともに世界に通用する製品とサービスの提供に注力しています。これらの変更により、私たちは市場をリードするイノベーションと価値を提供する立ち位置をさらに強化することになるでしょう。
アラムコはSABICとともに、調達、サプライチェーン、製造、マーケティング、販売における選択的統合の相乗効果を追求しており、これにより、効率化と成長を推し進め、顧客ニーズに応え、さらなる株主価値を生み出すことを目指しています。
革新的技術の開発や国内生産力の拡大、そして海外への新規投資を通して、私たちは化学品事業の成長に向けた投資を継続しています。当社製油所と石油化学事業の統合を一層促進するために現在進められる資本増強は、より複雑で付加価値が高い化学品や特殊製品の生産を下支えすることが期待されます。