アラムコの次なるステップ:LNGにより世界市場にガスを供給

新しい戦略的パートナーシップを通じて液化天然ガス(LNG)における新たな機会の開拓に焦点を当て、ガスの提供を拡大します。


  • アラムコはMidOcean Energy社の株式を取得し、国際的なLNG事業に乗り出しました
  • LNGが移行燃料として石炭や燃料油などの燃料の燃焼を低減するとともに、温室効果ガス排出量を削減して世界的なエネルギーの安全保障を維持する取り組みに寄与できると私たちは確信しています
  • 今後も主要なLNG市場における国内外の幅広い機会を模索し続けます

Faiza Rizvi Rahman |

エネルギー安全保障と信頼性を損なうことなく増大する世界のエネルギー需要に応えることが今やこれまで以上に重要であると、アラムコは認識しています。

依然として世界のエネルギー供給の大部分を占める石炭や燃料油に比べて、液状の天然ガスである液化天然ガス(LNG)は炭素排出量の低いエネルギー源となります。天然ガスを冷却・液化したLNGは世界中に出荷することが可能です。この物流上の利点のおかげでLNG市場は目覚ましい成長を遂げており、取引量は2000年の1億トンから2022年には約4億トンにまで増加しています。


移行燃料

当社では数十年にわたり、発電に使用するエネルギー源として、また国内産業のための供給原料として、天然ガスに秘められた可能性を引き出してきました。さらなる低炭素エネルギー経済への道を世界が歩み続け、旺盛な需要によるLNGの成長が見込まれる今、当社はLNGでの世界的なプレーヤーを目指しています。


「世界のエネルギーシステムと産業システムが温室効果ガス排出量の削減とエネルギーの安全保障のバランスを取ることを可能にする重要な移行燃料としての役割を、LNGが果たせると私たちは確信しています」

と、アラムコのアップストリーム担当プレジデントであるナシル K. アルナイミは説明します。

「特に石炭に大きく依存しているアジア経済圏において、LNGはエネルギー移行に適した燃料としての可能性を示しています。石炭からLNGへの代替によって、CO2排出量を大幅に削減できます」と、彼は付け加えます。


LNGの有力なプレーヤー

当社は、米国の投資会社EIG社によって設立・運営されるLNG企業、MidOcean Energy社の株式を取得し、国際的なLNG事業に参入しました。この合意はアラムコとEIG社との関係性に基づくものです。同社は、2021年にアラムコの子会社アラムコ・オイル・パイプラインズ・カンパニーの株式の49%を取得したコンソーシアムの一部でした。

「LNG市場は今後構造的・長期的成長を遂げることが見込まれており、MidOcean Energy社は、特にLNG輸入インフラの拡張が続くアジアと欧州において、LNG需要の高まりを活かすための態勢が十分に整っています」と、アルナイミは説明します。

「私たちは今後も引き続き主要なLNGの地理的中心における国内外の多様な機会を探求し、潜在的な貿易シナジーを最大限に活かすとともに、安全で、入手しやすく、より持続可能なエネルギーに対する世界的なニーズの高まりに応えます」と、彼は付け加えます。


ガスに関わる成功事例

ガス事業は長年にわたる当社の重点的事業であり、ジャフーラ・ガス田などの新たに発見された非在来型ガス資源の開発を通じて、その重要性がいっそう増すことが見込まれます。こうしたさらなるガス生産能力は、より低コストで低炭素なエネルギーに対する国内需要の増大に応える上で役立つと考えられるとともに、液体燃料の燃焼を抑制して国内発電による温室効果ガス排出量を削減する上でも役立つと期待されています。

当社のガス生産によって天然ガス液(NGL)、エタン、コンデンセートが産出されます。これによって原油生産が補完され、サウジアラビア国内外の石油精製・化学工業に供給原料がもたらされます。

2020年に始動したファディリのマスター・ガス・システムの最新設備  

 

当社では1975年に、国内全土のガス生産拠点と処理拠点を結ぶ大規模なパイプラインネットワーク、マスター・ガス・システム(MGS)の開発を開始しました。40年以上前に運用が始まって以来、経済発展と多様化を支えるサウジアラビアの産業ネットワークの屋台骨となっています。

今やLNGを通じて新たな国際市場における当社の存在感が高まることで、この順調な道のりを歩み続け、現在、将来を問わず、世界中のアラムコのお客様からの移行燃料に対する需要の高まりに応えることができるのです。