Y世代とZ世代の活力を活かす

アラムコの若手社員は、独自の価値観に重きを置き、変化に対する活力を用いるという、ダイナミックな企業文化の形成に貢献しています。アラムコは、彼ら、将来のリーダーたちの育成をどのように支えているのでしょうか。


  • アラムコの従業員は、過半数が35歳以下
  • 若い社員が会社に定着し、エンゲージメントを高めるためには、生涯にわたる学習の機会からワークライフバランスまで、彼らのニーズに応えることが必要
  • アラムコの企業文化が若い世代の育成と活躍を後押し

Andrew Moore |

Y世代(通称「ミレニアル世代」)の最年長者たちが今年40歳を迎えるなか、アラムコは社員の過半数が35歳以下であり、この若い世代が変革と向上を実現させる勢いのある文化を形成しながら、その存在感を増しています。

Y世代(1980年~1994年生まれ)とZ世代(1995年~2010年生まれ)が持つこだわりは、それ以前の世代と異なります。働くことについて、彼らは単なる給与以上に、次のようないくつかのプラスアルファを求めています。

  • 目的意識を持てる仕事
  • 生涯にわたる学習
  • 職種変更の柔軟性
  • ワークライフバランス
  • 所属する組織に変化を起こさせる機会
  • デジタルテクノロジー重視

こうした人口動態の傾向や変わりつつある人々の期待に照らし、アラムコではこうした期待の変化に対応し、あらゆる世代の人が持てる力を発揮し活躍できる機会を提供できる環境づくりに、日々取り組んできました。


目的意識を持って働く

Y世代、Z世代の人たちは、目的意識を持って働くことに特に大きな意義を見出します。アラムコは単に石油・ガス会社というだけではありません。地域社会や国に対してはるかに大きな目的をもたらしてきた歴史と伝統があります。 それが創業当時から今日に至るまで、会社そして社員の礎となっています。

「自分が残していく足跡のようなものです」と語るのは、29歳の先進プロセス制御エンジニア、アブドゥラー・バハムダン。彼にとって最も意義のあることとは、「自分たちのやっていることが、サウジアラビアの多様な経済の発展にいかに重要不可欠かを実感できること」と、「世界に影響する重要な課題」に取り組めることなどです。

アラムコのマングローブ植林活動に参加
YLABイベントでの講演者

意見を述べ、その声が届く

Y世代、Z世代の抱く期待でもうひとつ重要なことは、自らが所属する組織に影響力を与える機会です。自分の意見を主張し、そしてその意見が、特に上層部に聞き入れられることを彼らは望みます。

当社では2011年に若手リーダー諮問委員会(YLAB)を創設しました。以来、会社の戦略会議直属の立場から、社内の若い世代と上級管理者層の間の架け橋となってきました。YLABは、何千名もの候補者から選抜された16名の精鋭メンバーが担います。 この将来有望なリーダー集団は、イノベーションや訓練、エンゲージメントなど多岐にわたる企業課題について意見を求められます。

選ばれた者にとっては、非常にやりがいのある経験です。

 

YLABは、若手社員の貢献を促し、彼らの意見を尊重するという、それぞれの世代に合った文化の構築に役立っています。計画・業績アナリストで28歳のダニヤ・アルシェベルは、会社側が若い社員の視点を知り続けていくうえで、YLABが効果的な役割を果たしていると言います。「ファイナンスの知識に関して私たちがどの程度知っているかなどの問題に関するYLABのアンケート調査に回答しましたが、その結果が反映されたのがわかりました。YLABは、私たちを経営陣と結んでくれています。」


生涯学び続ける欲求

Y世代、Z世代の人たちは、成長し続けることに熱心です。 大学を卒業したからと言って、学ぶことから卒業することはありません。学習は彼らにとって、生涯かけて続くものなのです。アラムコでは、オンラインと対面の両方で多数の訓練コースを提供し、このニーズに応えています。

ハーバード・ビジネス・スクールやウォートン・スクール、スタンフォード大学、ロンドン・ビジネス・スクール、シンギュラリティ・ユニバーシティ、オックスフォード大学、そしてハーバード・ロー・スクールとの提携のもと多種多様なコースが実施され、2020年には1,400名以上の社員が履修しました。中でも、ロンドン・ビジネス・スクールによる「ファイナンスと戦略」プログラムや、ハーバード・ビジネス・スクールが提供するHarvard ManageMentorプログラムなどが人気です。

アルシェベルは、アラムコのファイナンス試験合格にとどまらず、アメリカ合衆国に留学し、法学を学ぶというまたとないチャンスにも恵まれたと言います。学費はアラムコの上級学位プログラム(ADP)の支援を受けることができ、留学を終えて帰国し、アラムコの法務アドバイザーになることをが彼女の目標です。このプログラムは、1976年から数多くのサウジアラビアの若者に同様の機会を提供し続けています。


異なる職場で働く

アルシェベルの計画は、Y世代、Z世代にとってのもうひとつの大切なこと、柔軟性に通じます。 彼らの多くが、職種を変更できること、そして多くの役割を経験できることを重視すると言います。

アラムコでは、内部異動プログラムにより若い社員が視野を広げることを推奨しています。社内若手リーダーの多くは、自らの担当分野内だけでなく、他分野も含め、定期的に異動しています。

例えばエンジニアのバハムダンは入社後6年間で、プラント建設部門からコンサルティング部門、プロジェクト管理部門まで実に様々な機能を経験してきました。一方、ITから広報、また技術職から人事へなど、全く異なる職種へ転向した社員もいます。

仕事と生活を両立

コロナのパンデミックは心の健康の重要性を浮き彫りにしましたが、Y世代、Z世代はそれ以前から心身の健康への配慮やワークライフバランスを重視しています。

アラムコは、ワークライフ・サポートプログラムの開始を先日発表しました。これは、社員やその家族に対し、カスタマイズされたカウンセリングを提供するとともに、ストレス管理や運動、健康習慣の実践などを支援するものです。

アラムコのダーラン本社には、特に若い社員の健康維持に適した様々な施設もあります。ジムでのトレーニング、ロッククライミング、タッチラグビーなどを楽しめるほか、音楽演奏やキルトづくりなどより軽めの活動も楽しめます。また、アルシェベルの言葉を借りれば、「勤務日には本社敷地内をゆっくり散歩したり、友人とコーヒーを飲みながらおしゃべりする」こともできます。


デジタルを最大限に活用

Y世代、Z世代は「デジタルネイティブ」の世代でもあります。 年配世代が大人になってから習得することになったテクノロジーも、彼らには生まれたときから身近な存在です。アラムコでは現在、デジタル・トランスフォーメーション・プログラムを通じて、彼らが持つスキルを存分に発揮できる機会を増やしています。

無料でオンライン受講できるデジタルトレーニングコースは、社員が会社への貢献と自らの技能開発に向けた「デジタル志向の考え方」を身に着けることを目的としています。これは生涯学び続けたい情熱を持つ世代の人にぴったりの機会です。

一方、デジタルテクノロジーは会社での日常にも欠かせないものになりました。ジムの予約や会議室の確保、社員IDの更新など様々なことも、数クリックで行えます。

「何をするにしてもアプリです」とバハムダンは言います。「アラムコが時代の流れに適応し、デジタルテクノロジーをすぐに取り入れる会社だというのが、いいですね。」

アラムコにおける最大規模のデジタルタッチポイントのひとつ、Aramco LIFE

すべての社員の生活を進化させ、より豊かにする

Y世代が管理職に就き、Z世代が成長し続けるにつれ、彼らの影響力はアラムコを若いスタッフのニーズにさらに寄り添う企業へと突き動かすことでしょう。 また同時に、若い社員のニーズや要望が、社内のそれぞれの世代に合った企業文化の構築を進め、全体の生活を豊かにしているのです。