- サウジアラムコの革新的なモバイルアプリ「ナビゲーター」を使って、サウジアラビア乾燥地帯での自動車走行による環境フットプリントを削減
- 遠隔地へ移動する際の安全をサポート
- アプリの使い方は簡単で、使用許可を得た作業者は、油井、パイプライン、フローラインへの経路を素早く探索でき、アプリが現地までナビゲート
「ナビゲーター」は、遠隔地への移動をアシストする、心強い相棒です。
サウジアラムコは、サウジアラビアの広大な土地の隅々にまで事業を展開しています。当社の技術専門家によって開発された革新的なモバイル・ナビゲーションアプリは、現場従業員の遠隔地までの移動および遠隔地内での移動をアシストし、環境フットプリントを軽減します。
当社の現場従業員は、拠点の運営やインフラのメンテナンス、新たな油層探索のため、国内の、多くは厳しい環境下にある遠隔地へと向かいます。その際、最も重要なのが安全の確保と環境保護です。
サウジアラムコの最新アプリ「ナビゲーター」は、当社の拠点、施設、油層までの確実な移動経路を示し、従業員がより安全かつ最短距離で遠隔地に移動できるようアシストします。その案内に従ってドライバーは当社指定道路の最適ルートをたどり、遠隔地での自動車走行による環境への影響を最小限にします。
無秩序なオフロード走行は、サウジアラビアの土壌や草木、野生生物に悪影響を及ぼし、乾燥地域の土地劣化の大きな原因にもなっています。砂漠化(草木が枯れて育たなくなること)は、世界のサステナブルな発展に対する一つの脅威とされています。
オフロード車による不用意な運転は、砂をまき散らし、草木や根にダメージを与えるなどして砂漠の生態系に悪影響を及ぼし、土地の劣化を加速させる可能性があります。ナビゲーターは、最適な移動ルートを正確に示すことにより、オフロード走行による環境への負荷を軽減し、乾燥地域固有の生物多様性と生態系プロセスの維持・保全に貢献します。
サウジアラムコの最新モバイルアプリ「ナビゲーター」
遠隔地での業務には、長距離の移動や過酷な気象条件など特有の懸念事項があり、もし従業員が立ち往生すれば深刻な事態になる可能性があります。また、遠隔地での無計画な運転は、生物多様性の損失など環境に悪影響を及ぼし、砂嵐の頻発や水路の堆積物の増加などを引き起こします。
「遠隔地での業務には多くの懸念事項があります」と、掘削・改修サービス部門のマネージャー、ナイエフ K. アルガフェルは述べます。「用意周到な旅行計画こそが、予定通り目的地に到着できない事態や、地域の動植物相への悪影響を減らすことにつながるのです」
自然の中で運転をする場合は、事前にしっかりと準備をし、十分な注意を払うことで、望まない結果を回避することができます。遠隔地での運転において、テクノロジーを利用して効率的なルートを選び、アクシデントのリスクを減らすことにより、エネルギー消費や保守・修理コストが削減され、さらには環境保護やビジネスにかかるコスト削減も見込まれるのです。
サウジアラムコの抗井現場部門ならびに北ガワール生産部(NGPD)、情報技術部門(IT)により共同開発された「ナビゲーター」は、衛星測位システムを利用するため信頼性・安全性が高く、環境への負荷の軽減も期待されます。この強力で地域に即したモバイル・ナビゲーション・アプリは、市販の道路データと独自の地図データを組み合わせた目的地探索が可能で、画面上と音声でのルート案内が提供されます。
コーポレートアプリケーション部門(CAS)/ソリューションサービス部門の責任者カーリド・アルアルファジはナビゲーターについて、使い方もシンプルな素晴らしいツールで、iOSとAndroidのどちらの携帯でも使用でき、さらにオンライン・オフライン両方でも機能すると述べています。
「まず、サウジアラムコのマッピングデータを選択、ダウンロード、ビジュアル化して、遠隔地のアセットの検索・目的地設定を行います。そして、事前に社内で計画したルートや旅程表を取り込めば、予定通りに目的地に到達できます」と、アルアルファジは説明します。
CASマネージャーのアブドルアジーズ S. アルシャフィは、このソリューションは、フィールドワークの最適化に向けたIT部門の継続的な取り組みの一つであると述べます。
「ナビゲーターのお陰で、遠隔地への移動時にオフロードで道に迷うリスクが減ります。これは、フィールドオペレーションの安全性を高めると同時に、コストと環境の両面に好影響をもたらします」
NGPDは5名の従業員でアプリを使ったテスト走行を実施しました。サウジアラムコに29年間勤務しているフセイン・カイワニ管理責任者補佐は、ナビゲーターは緊急事態発生時に特に役立つと語ります。パイプライン損傷などの緊急事態を効率的に管理・対応することで、環境にも大きなメリットがもたらされます。
「NGPDが管理するエリアは約14,000平方キロメートルに及びます」とカイワニは言います。「ナビゲーターは、目的地への最短距離での移動をアシストしてくれます」
「このアプリは、ルート案内だけでなく、距離と所要時間も計算してくれるので、遠隔地を移動している時も安心なのです」と、調査チーム責任者アリ A. ガムディは述べます。ガムディを含む抗井現場部門の遠隔地従業員20名は、今年初めからテスト走行を実施しています。
このアプリは、ルート案内だけでなく、距離と所要時間も計算してくれるので、遠隔地を移動している時も安心なのです。
抗井現場部門調査チーム責任者アリ A. ガムディ
ナビゲーターは、サウジアラムコが認可したアプリのうちの一つとして、当社の厳格なセキュリティ基準に準拠しています。万が一デバイスを紛失した場合、データは即座に削除されます。このアプリの開発はサウジアラムコの「デジタル変革プログラム」の一環で、同プログラムのもと、当社は2022年までに世界をリードする「デジタル化エネルギー企業」になることを目指しています。