石油・ガス業界でより多くの女性がイノベーションを起こすには?

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エネルギー業界を前進させるアラムコの女性たち

国際エネルギー機関(IEA)によると、石油・ガス業界の労働人口のうち女性はわずか22%とされています。近年、改善は見られるものの、まだまだ十分とは言えません。このような現状に対し、アラムコは、多様な人々が活躍できる画期的かつ包摂的な職場であり続けることを約束します。


1964年アラムコに入社し予防医学の専門家として活躍したNajat al-Husseini

先駆者として

およそ60年前、サウジアラビアで初めて女性科学者としてアラムコに就職したのが、Najat al-Husseiniです。予防医学を学んだ彼女は、近隣地域の子供たちを天然痘やマラリアなどの病気から守るために不可欠なワクチン接種に従事するなど、これらの病気撲滅に取り組みました。

現在では、Najatの思いを継ぐ女性エンジニアや女性科学者の数は増えています。彼女たちはアラムコの研究開発センター(R&DC)で画期的な技術の進歩に携わっています。例えばCO2をセメントに貯留する技術や非金属素材の新たな可能性の発見、また原油を化学品に変換する技術などです。


重要な素材をきめ細かに分類

その先駆者の一人が2006年にR&DCに加わったAnaam Al-ShaikhAli博士です。それ以来センターの女性科学者の数は年々増え、Al-ShaikhAli博士が技術サービス部門の高度解析ユニットで行っている研究によって、様々な素材の異なる属性や性能についての理解が深まっています。

彼女の研究チームは顕微鏡や分光学、熱分析などの高度で補完的な特性評価技術を活用し、あらゆる土壌物質の表面や内部構造を徹底的に調査し図表化することで、ナノレベルの構造情報の取得を可能にしました。その技術を用いることで、石油・ガスの応用に関する複雑な課題に対して画期的なソリューションを開発しています。

アラムコの技術サービス部門上級研究員として活躍する科学者Anaam Al-ShaikhAli博士

サステナブル・エネルギー・チームのEsra M. Alhabshi

将来の低CO2排出エネルギーを模索

より先端的な研究を行っているのが、アラムコのサステナブル・エネルギー・チームの一員であるEsra M. Alhabshiです。彼女のチームは、キング・アブダッラー科学技術大学(KAUST)とのコラボレーションを通じて、太陽電池の高効率化を目指し非金属素材の活用法を研究しています。彼女たちの研究は、太陽光エネルギーの活用率を高めサステナブルで安定した電力に転換するという点で、計り知れない潜在的影響力を秘めています

50年後には、シリコンの層で形成される新素材の生産によって、太陽エネルギー利用の効率が飛躍的に高まるかもしれません。軽量で柔軟性のあるペロブスカイトなどの素材には、太陽電池への活用の可能性が大いにあります。

サステナブル・エネルギー・チームのEsra M. Alhabshi


新しい才能の発見と発掘

アラムコが最も大切にしていること、それは次世代のエンジニアや科学者を発掘し育てていくことです。私たちは、数十年前から国内外の学術・研究機関や大学で学ぶサウジアラビアの若者を支援する各種の教育プログラムへの投資を行ってきました。社員がSTEM教育(科学、技術、工学、数学)の主要分野で修士号を修得するためのサポートを提供する上級学位プログラム(Advanced Degree Program)もそのひとつで、1980年代に始まり現在に至ります。

従業員以外を対象とした学士号取得プログラム(College Degree Program for Non-Employees:CDPNE)では、高校を卒業するサウジアラビアの学生の中から毎年、成績優秀者を対象に海外の大学へ進学する機会を提供しています。このプログラムでは、世界のトップ大学への入学を目指した10ヶ月間の総合準備コースをはじめ、留学中のサポート、そして卒業後の雇用の機会も用意されています。

これらの取り組みが今、新たな視点をもった才能ある若い人材が毎年新戦力として入社するという形で実を結んでいます。また成果のひとつとして、働く女性の数が、特にSTEM教育分野で増加しています。当社だけを見ても、社内で働く女性科学者とエンジニアの数は2006年から14倍に増加しました。


アラムコの石油・ガス処理部門でプロジェクトリーダーを務めるElaf Ahmed博士

より多くの活躍の機会を

人材の多様性が豊かになればなるほど、革新性と成長の機会が増えます。当社の様々な教育プログラムを推進するダイバーシティ&インクルージョン(D&I)部門では、採用、定着、昇進、リーダーシップ、そしてD&Iのロールモデルという主要な5分野で、社員にとって活気に満ちた包摂的な企業文化の醸成に取り組んでいます。

その結果、包括的な文化と職場が当社のあらゆる事業にプラスに働くという成果を生み、優れた人材を採用し、より自由に改革を起こすことができるようになりました。

現在では、アラムコで働く女性の数は過去最大となり、現場で活躍する優れたエンジニアから研究室で働く地質学者、革新的なプロセスや技術を開発する発明家、さらには当社の石油・精製品を世界中の顧客に販売するトレーダーなど、その活躍の場も広がっています。

業界の枠を超えて視野を広げる

またアラムコは、86の政府機関および民間企業から成るGROW(湾岸地域女性のための組織)を設立し、その地域で働く女性の機会向上に一緒に取り組んでいます。

GROWは幅広い事業や教育機関、サービスプロバイダーが共通の目的に取り組むことで、既に何千もの女性たちを支援し、フォーラムやウェビナーなどを通じて彼女たちが専門分野のリーダー的存在となり、優良事例を共有し、また新たな機会を創出してきました。

 

アラムコの非金属素材応用開発部門の科学者として活躍するHawraa Bin Saad研究員

※出典:IEA「エネルギーとジェンダー(Energy and Gender)」iea.org/topics/energy-and-gender