「アラビアの道 ー サウジアラビア王国の至宝」展は2010年の開始以降、パリ、バルセロナ、サンクトペテルブルク、ベルリン、ローマのヨーロッパ5都市を巡回、成功を収めた後、米国の5つの都市を経て、今回極東の中国、韓国、日本を巡りました。
今回のアジア歴訪ツアーには50万を超える来場者が訪れ、100万年前の石器時代から20世紀のアブドゥルアジーズ・アール・サウード国王の治世にまで及ぶ、400点以上の希少な考古学的遺産を鑑賞しました。これら至宝がサウジアラビア王国外で展示されたのは今回が初めてです。
アジアの来場客を魅了
サウジアラムコのアブドゥルアジーズ王世界文化センターとサウジアラビア国家遺産観光庁の共同イニシアティブである「アラビアの道 ー サウジアラビア王国の至宝」展は、2017年初頭に北京の中国国家博物館でアジア初披露を行い、サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・サウード国王と習近平国家主席の来訪を賜りました。
多くの中国人がアラブ世界に持つ印象といえば、砂漠、モスク、独特の衣装、巡礼、ラクダくらいです。ある中国人来場客は、「この展覧会に来て、イスラムの歴史と文化への理解が深まりました。そしてアラブ文化への視野が広がり関心も高まりました。訪れて本当によかったです」と語りました。
中国公開を終えた後、展覧会はソウル国立中央博物館へと場所を移しました。この貴重な機会を活かしたアラムコ・アジア・コリアは、CSR(企業の社会的責任)の分野で連携する現地企業と共同で、障害を持つ大学生40名を対象にキュレーター・ガイドツアーを主催しました。
三体の男性像の展示は、その圧倒的規模から、学生たちの興味と感嘆を誘いました。ある生徒は、「古代の人々がこれほどスケールの大きなものを作ることができたとは思いもしなかった。これら展示物のおかげで、サウジアラビアに対する見方が変わりました」と語っています。
日本が極東ツアーの終着点となりました。東京国立博物館では、初日から5月末までの会期中、一日平均3,000名、計25万名が訪れ、歴史ある表慶館で開催された特別展の中でも、最も高い評価を得た展示会の一つとなりました。多くの熱心な来場客を案内した同館学芸研究部の小野塚拓造研究員は、「この【道】との出会いは、当館にとって画期的な出来事です。当館は、日本とアジア諸国の美術品や古美術品の収集、展示、研究を行ってきた長い歴史があります。しかし、それに比して西アジア(即ちアラブ世界)に関する我々の専門知識は、かなり限定されていました。今回の展示が、両国間の情報交換や人材交流を促進し、やがて一層価値ある発見へとつながることを願っています」と述べました。
「道」、極東との絆の新たな一面
アラムコ・アジアの社長アンワール・ヒジャズィ(Anwar Hejazi)は、「中国、韓国、日本は、いずれもサウジアラムコにとって重要な戦略的市場です」と述べ、これらの市場が合わせて消費するサウジ原油は、一日あたり300万バレル以上にのぼると指摘します。また、「これらの国々はお互いに異なる存在です。 しかし今回の展覧会では、文化遺産への敬意という、それぞれに共通する部分を見いだせました。当社が極東とのより深い絆を強めようとしている中、この3ヶ国で記録的な数の来場があったことは、同地域の人々がアラビアの遺産に対する確かな関心を持っていることの証です。極東を巡った「道」は、アラブ地域への理解を深め、親しみを感じていただくのに多大なる貢献をしてくれました」と付け加えました。