「水素経済」に注目したシンポジウム

サウジアラムコとJCCPが東京で共催したシンポジウムにおいて、世界のエネルギーミックスにおける水素の役割に対する関心の高まりについて語るサウジアラムコの最高技術責任者アハマッド O.アルコウェイター。

サウジアラムコと一般財団法人JCCP国際石油・ガス協力機関(以下JCCP)は、このほど「The Global Perspective of the Hydrogen Economy」と題したシンポジウムを東京で共催しました。

政府機関、エネルギー業界、海運、自動車メーカー、電力会社、研究所、学術機関、そしてサウジアラムコから約200名の参加者が集い、より持続可能なエネルギーの未来のために水素が貢献しうる役割について議論しました。このシンポジウムは、アラムコ・アジア・ジャパンの協力の下、開催されました。

JCCPは、日本の経済産業省の支援を得て、石油産業のダウンストリーム分野において、日本と産油国間の技術協力や人的交流を促進しています。 

水素社会の実現に向けて

日本は2014年に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を発表し、気候変動に関する課題の解決や、持続可能なエネルギー分野の基礎を築くために、「水素社会」の実現に向けた共同の取り組みの推進役を務めてきました。 

サウジアラムコは、本シンポジウムを日本およびその対象地域に対し、モビリティと発電双方に活用できる持続可能なエネルギーである水素を供給し、サウジアラビアの「Vision 2030」に沿った持続可能な方法で王国の豊富な石油・ガス資源の活用を広げるまたとない機会だと考えています。 

アラムコ・アジア・ジャパンの代表取締役社長であるアンワール A.ヒジャズィは開会の辞の中で、サウジアラムコと日本のパートナーの皆様との継続的で緊密な協力の重要性を強調しました。 

世界的な関心の高まり

サウジアラムコの最高技術責任者、アハマッド O.アルコウェイターは基調講演を行い、世界的な水素エネルギーと燃料電池産業は、21世紀以降の技術革新、経済成長、持続可能な開発において最も重大な役割を担う産業のひとつであると述べました。また、世界的な競争力と活力を持ったサウジアラビアのエネルギー分野の発展に向け、水素がいかに重要な役割を果たし得るかについて講演しました。 

「エネルギーミックスにおける水素は、環境問題、エネルギー安全保障と供給、経済競争力など様々な理由により、多くの国々からますます注目を浴びています」と、アルコウェイターは述べています。 

また、サウジアラムコの、水素と持続可能性分野における研究と技術革新の幅広い取り組みや、二酸化炭素(CO2)をコスト効率の高い方法で回収・利用するだけでなく、炭化水素から水素を低コストで製造していくための貢献についても紹介しました。 

「このシンポジウムの目指すところと同様に、様々な業種の垣根を越えてアイデアを交換し、点と点をつなぎ、技術的課題に対する協力を促進すればするほど、より早く水素経済”を実現することが可能です」と、アルコウェイターは述べました。