アラムコ・アジア、アジア初のパイプ&バルブサプライヤー向け技術・品質フォーラムを開催

アジアにおける検査サービスの概要を紹介する、クオリティ・マネジメント部門の統括者でアラムコ・アジア・ジャパンの執行役員、技術サービス部長のモアラ・アルオマリ

およそ100名の専門家が、アジアで初めて開催された技術・品質フォーラムに参加するため韓国のソウルに集いました。

アラムコ・アジアのクオリティ・マネジメント部門の企画で、アラムコ・アジア・コリアが主催したイベント「アラムコ・アジア パイプ&バルブサプライヤー向け技術・品質フォーラム(Aramco Asia Piping & Valve Suppliers Technical and Quality Forum)」には、認証を受けたパイプ、バルブサプライヤー30社、検査機関7社のほか、サウジアラムコ本社のセントラル・エンジニアリングとアラムコ・アジア調達チームの代表者などが出席しました。

「共に向上する(Together We Improve)」というテーマのもと、イベントは、国際基準の順守を促進し、製品の品質、安全性、信頼性を向上することで、パイプ、バルブ仕様の最適化に向けた知識の共有されたプラットフォームを確立しました。本フォーラムは、併せてパイプ、バルブ製造工程における新技術とベスト・プラクティス面での情報交換の機会も提供しました。 

成功に向けてのコラボレーション

フォーラムは、アラムコ・アジアの技術サービス部門ディレクターであるタレク・アルサブティ(Tareq Al Sabti)の挨拶で始まりました。アルサブティは、成功をもたらす主な要因はアラムコとサプライヤー間のコラボレーションと、品質プロセスの改善、バリューエンジニアリング、オペレーションズ・リサーチ等を開発を通じて製造における品質の概念を再定義することであり、これらは業界全体にとって多大な貢献となるだろうと述べました。 

アラムコ・アジアのクオリティ・マネジメント統括責任者であるモアラ・アルオマリ(Moalla Al Omari)は、アジア地域における検査サービスの実績について概要を紹介しました。フォーラムでは、すべてのパフォーマンスギャップを特定し、それらを埋めるために必要なアクション、予測されるサービス需要に対する準備について、委託先の検査機関の代表者たちと合意しました。 

アジアの業界リーダーが集った今回のイベントは、アジア地域調達チームから、サウジアラムコ本社が推進している「国内全付加価値化推進プログラム(IKTVA)」を促進する機会にもなりました。 

品質管理

アラムコ・アジアのクオリティ・マネジメント部門は、プレゼンテーションの中でISO 9001:2015認証に基づくアラムコの品質に関する考えを紹介しました。アラムコは、独自にプラント製造評価、調達モニタリング、プロセス管理の向上に尽力しています。また、石油業界に対しては、新しい技術の市場を評価し特定しました。 品質の意味が、卓越性、価値、仕様や要件の順守のほか、ユーザーへの配慮や顧客満足など幅広い結果につながり、「品質」という言葉の方向づけから様々な成果をもたらすことが指摘されました。 

集中セッション

今回のフォーラムでは、パイプとバルブ分野で集中セッションが開催され、サウジアラムコや主要メーカーの各分野の専門家による全般的な課題や新技術、新素材に関するプレゼンテーションが行われました。 これらのセッションでは、該当する検査要件、検査におけるベスト・プラクティス、仕様の見直しなどのトピックに焦点があてられました。 

セントラル・エンジニアリング・コンサルティング・サービス部門(Consulting Services Department: CSD)のメンバーが、セッションの場で出たコメント全てを評価し、改良点は速やかに改訂版の基準に反映される予定です。 

フィードバック

マテリアル・エンジニアリング委員会の議長であるサード・アルマウイリ(Saad Al-Mauili)は、「2日間にわたるイベントの成果には、共通のゴールを達成するための努力が真に反映されています。各々の経験について意見交換を行い、課題を解決し、成果を出し、異なる組織間の連携を強めるという素晴らしい機会でした」と、今回のフォーラムに対する感想を述べました。 

ハワ・バルブ(HAWA Valves)のジェーブド・ハワ(Javed Hawa)は、サプライヤーのあらゆる要求を整理し、製造メーカーをパートナーとして捉えるアラムコの積極的な姿勢を称えました。 「テーマに沿った素晴らしいイベントでした。アラムコの関係者たちと、将来に向けた重要な課題について、ざっくばらんな対話の機会が持てました」と、述べています。 

技術的・品質的洞察

コンサルティング・サービス部門(Consulting Services Department: CSD)の専門家たちは包括的なプレゼンテーションを行い、またクオリティ・マネジメントチームは仕様における最新の変更、繰り返し発生するバラつき、要件の誤った解釈等、これまでにわかったことについて情報を共有しました。 

「アラムコのバルブ製造受け入れモデル」では、CSDのマウサ・アルハービ(Mousa Al-Harbi)がAPI 6-D規格に合致したアセンブラーと、それに伴うサウジアラムコの必要条件について説明した後、質疑応答を行いました。 

CSDのサード・アルマウイリは、「配管とフィッティングの不具合と品質課題、低減方法」をテーマにプレゼンテーションを行い、様々なアプリケーション、パイプの限界や欠陥の理由などを検証しました。この発表の後にも、質疑応答の時間が設けられました。 

アラムコ・アジア・上海オフィスのアブドゥラ・アルムマリ(Abdullah Al-Amri)は、「アジア・クオリティ・マネジメント部門の概要」についてプレゼンテーションを行い、部の様々な役割を紹介し、最近発表されたISO9001:2015要件について述べました。アラムコ・アジア・韓国のフサイン・アルビナリ(Hussain Al-Binali)は、「フィッティングにおける教訓」について発表し、過去6年間に不適合だったフィッティングの詳細と、それらの予防対策を検証しました。 

アラムコ・アジア・シンガポールのアブドゥラジズ・アルザハラニ(Abdulaziz Al-Zahrani)は、「バルブに関しての教訓」と題したプレゼンテーションを行い、過去5年間で業者が製造・供給した不適格なバルブの実例を取り上げました。 アラムコ・アジア・インドのワティラン・アルハジリ(Wathilan Al-Hajri)は、「バルブの取り扱いと整備」をテーマにプレゼンテーションを行い、整備不足による劣化要因と、予防対策を国際的な実例に沿って説明しました。