石油業界での女性の役割がテーマのフォーラムでの意見交換

東京で開催された「女性のキャリア開発に向けた友好委員会オープンフォーラム」にて講演するサウジアラムコのヒューマンリソーシズ部門エグゼクティブ・ダイレクターのフーダ アルゴーソン

先日、一般社団法人JCCP国際石油・ガス協力機関が東京で主催した「女性のキャリア開発に向けた友好委員会オープンフォーラム」に、日本および湾岸諸国の石油業界からの女性がおよそ7割を占める中、参加者総数約200名が集いました。

JCCPは、日本の経済産業省所管にて、石油産業のダウンストリーム分野における日本と産油国間の技術協力と人材交流を促進している団体です。 

「石油産業の持続的成長と女性リーダーによる経営革新」をテーマにした今回のイベントの場で、サウジアラムコは男女格差を縮めるために行っている様々な取り組みを紹介しました。 

サウジアラムコは2012年に、女性の専門キャリア開発や近い将来上級職へ昇進するためのリーダーシップ・スキルの習得支援など、様々なプログラムを提供することを目的とした、女性の人材開発に特化した部門を設立しています。

STEMパイプライン

ゲストスピーカーの一人として招かれた、サウジアラムコのヒューマンリソーシズ部門エグゼクティブ・ダイレクターであるフーダ アルゴーソンは、職場における男女格差を縮めるために同社が導入している数々のイニシアティブを紹介しました。それらのひとつが、STEMパイプラインです。このプログラムは、科学(Science)、技術(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、数学(Mathematics)の各分野で活躍できる女性の人材育成を、職に就く前の大学、そしてそれ以前の教育現場において支援することを目的としています。 併せて、現在サウジアラムコには、新入社員、中堅社員から上級職まで、レベル別5種類のプログラムが女性を対象として設けられていることにも触れました。 

アルゴーソンは、女性が働き続ける上で常に向上させ、伸ばしていくべき重要な素質として、commitment(コミットメント)、competence(能力)、 collaboration(協調)、contribution(貢献)、character(個性)の「5つのC」を挙げました。これらはアルゴーソン自身の実体験に基づいており、やりがいのある仕事を追求するうえでこれまでも、そして現在も役立っていることであると強調しました。「女性社員の職場環境は、組織レベルでの改善は勿論必要ですが、女性自身も、責任をもって主体的に舵を取らなくてはなりません。つまり、女性は男女格差という課題に積極的に取組むと同時に、他の女性たちが目的を達成するためのサポートも行っていくべきです」と、アルゴーソンは最後に述べました。 

聴衆と意見交換

アルゴーソンは、サウジアラムコが湾岸諸国の他のエネルギー企業との情報共有をどのように計画しているかなど、数々の質問に答えました。また、サウジアラムコは他社にも門戸を開き、一部の自社プログラムに社外の人材を受け入れる可能性があるとも付け加えました。