サウジアラムコ、世界のエネルギー市場での地位を固める

サウジアラムコ2015年年次報告書 ― 要点

 

  • 原油生産量は1日当たり平均1,020万バレルで、過去最高値を更新
  • 原料ガス処理量も、1日あたり116億スタンダード・キュービック・フィートと過去最高値を更新
  • ダウンストリーム事業における堅調で急速な拡大を反映。総精製能力は1日あたり310万バレルとなり、サウジアラムコの顧客やステークホルダー対する炭化水素製品の価値全体を最適化
  •  新設された大型製油所の稼働に伴い、石油製品の輸出は前年比38%増  

サウジアラムコは、最新の年次報告書「Energy is Opportunity 」の中で、2015年の主な実績を発表しました。これらは、サウジアラムコの一貫した戦略とダウンストリーム事業の拡大、強化からなり、世界で最も信頼できるエネルギーサプライヤーとしての確固たる地位をさらに高めることになりました。 

エネルギー産業鉱物資源相兼サウジアラムコ取締役会長のカーリッド A. アルファレによると、原油価格の下落という厳しい環境の中、サウジアラムコは2015年の原油・ガス生産においては業績を更新し、国内外のダウンストリーム事業の拡大においても大きな躍進を遂げました。これらの成果は、業務効率化や財政管理重視によるもので、国際エネルギー市場におけるサウジアラビア王国の地位をさらに確かなものにしました。 

サウジアラムコ社長兼CEOのアミン・ナセルによると、2015年は、サウジアラムコの長期的展望に基づく経営方針と戦略の結果がこれまで以上に明確になった一年でした。底堅いアプローチに支えられ、サウジアラムコは価値の創造、新たな技術ソリューションの提供、人的資本の開発促進に一貫して焦点をあててきました。 

また、2015年にサウジアラムコは過去最高レベルの原油生産量を記録するのと併せ、アップストリームとダウンストリームの両事業において大きな付加価値をもたらすプロジェクトを実施し、北京とデトロイトの2ヶ所にリサーチセンターを新設しました。 

サウジアラムコの2015年の原油生産量は1日あたり平均1,020万バレルと過去最高を達成しました。原料ガスの処理総量は平均すると1日あたり116億スタンダード・キュービック・フィート、こちらもまた過去最高の記録となりました。サウジアラムコの精製能力は1日当たり310万バレルを達成。さらに、新たな製油所の稼動により石油製品の輸出は38%増加し、炭化水素製品の価値を最大限にまで上昇させました。 

2014年から2015年末までの期間に、主要市場へのサウジアラムコの輸出は大幅に増加しました。輸出は中国向けが4.5%、日本向けが2.8%、韓国向けが3.5%、インド向けが18%成長しています。シェールオイルとの競合にもかかわらず、米国市場へのサウジアラムコの輸出は100万バレル/日のレベルを維持しました。 

年次報告書によると、精製ネットワークと化学品生産を統合し、それに伴う価値を高めるというサウジアラムコの2015年の計画は、サダラ・ケミカル・カンパニー(Sadara Chemical Company)の立ち上げとともに大きな進展を遂げました。さらに、SATORP (Saudi Aramco Total Refining and Petrochemical Company)とYASREF(Yambu Aramco Sinopec Refining Company)の共同事業による製油所が本格的に始動し、ジャザン製油所とターミナル・プロジェクトも軌道に乗っています。併せて日本の住友化学と共同で立ち上げた石油精製・石油化学会社ペトロ・ラービグ(Petro Rabigh)の拡大プロジェクトは、2016年の始動に向け着実に成果を上げています。 

2015年年次報告書は、サウジアラビア全体の社会的・経済的発展に向けたサウジアラムコの多様な貢献についても述べています。その中心となるのが、サウジアラビア国内産業奨励プログラム「イクティーバ(iktva)」です。この活動では、サウジアラビア国内で生産されるエネルギー関連製品とサウジアラムコが契約するサービスの割合を倍増し、2021年までに70%を達成することにより、国内の投資拡大、経済発展、雇用創出を目指しています。 

ナセルは、サウジアラムコの65,000名を超す従業員の貢献についても触れ、2015年の実績は、従業員たちのたゆまぬ努力と取り組みによりもたらされたものであり、そして「サウジアラムコ社の全員が、” Energy is opportunity” という強い信念を持っています。これは、我々が日々、顧客、パートナー、ステークホルダーに対する固いコミットメントです」と語りました。

ダウンロード 2015年年次報告書 (PDF, 10.5MB)