サウジアラムコが開発した新規水素化分解触媒(CAN-15)が名誉ある石油学会賞を受賞

サウジアラムコの代表として、石油学会の役員から国際技術交流賞を授与されるサウジアラムコの最高技術責任者アハマッド O. アルコウェイター。「脱れき油混合処理のための新規水素化分解触媒」がリヤド製油所の水素化分解部門で採用されていることに満足していると語りました。

サウジアラムコと、共同研究のパートナーであり、日本の大手触媒開発製造会社である日揮触媒化成株式会社は、日本の石油学会(The Japan Petroleum Institute: JPI)の2015年度国際技術交流賞を受賞しました。

石油学会は毎年、優れた研究者、プロジェクト、研究所を表彰しています。受賞者の顕著な功績により、日本のみならず世界にも認められた石油学会の賞には、学会賞、論文賞、技術進歩賞、奨励賞、国際技術交流賞等があり、石油および関連分野において科学的に貢献された人に授与されます。

今回、受賞した「脱れき油混合処理のための減圧軽油水素化分解触媒」の技術は、サウジアラムコR&DC(石油アップグレーディング研究開発部門)と日揮触媒化成株式会社が、国際石油交流センター(JCCP)の補助事業として共同開発したものです。

2007年に共同研究を開始し、触媒の高寿命化と蒸留物の産出量および品質の向上・維持を目標として、リヤド製油所の水素化分解ユニット向けに触媒システムを開発しました。

プロジェクトの研究開発段階は2010年に完了し、開発された80余の触媒候補の中から、技術を高め、実用化をすすめる4つの触媒を選び出しました。

このプロジェクトで開発された「脱れき油混合処理のための新規水素化分解触媒(CAN-15)」は、リヤド製油所の水素化分解部門で採用されています。

この触媒は2年にわたって使用されており、その性能は予想以上に高く、貴重な蒸留物の産出量も増加しています。

東京で開催されたサウジアラムコとJCCPの合同シンポジウム「エネルギー節減とエミッション削減を実現する燃料の未来を切り開く(Unlocking the Potential of Fuel to Enable Energy Savings and Emissions Reductions )」に出席するために日本を訪れたサウジアラムコの最高技術責任者、アハマッド O. アルコウェイターは、サウジアラムコの代表として石油学会の国際技術交流賞を授与しました。

アルコウェイターは、「脱れき油混合処理のための新規水素化分解触媒(CAN-15)」を、世界で初めて私達が開発したことは大きな喜びです。この技術により、様々な実用化の機会がもたらされることを期待しています」と述べました。