世界の指導者達が画期的な気候変動協定を採択する場で、サウジアラムコは温室効果ガス(GHG)の管理技術の進展状況を紹介しました。
サウジアラムコは、この程開催された国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において高いプレゼンスを示すことにより、気候問題に取り組むサウジアラビア王国の活動を支え続けていることを実証しました。
サウジアラビアを含む195カ国の代表は、GHG排出削減に向けて歴史的な協定を採択することで合意に達しました。これは、気候変動問題に取り組む20年余にわたる国際的な努力が結実したものだと言えるでしょう。
サウジアラビア交渉団は、2週間にわたり、パリ郊外ル・ブルジェのパーク・デ・エクスポジシオン(Parc des Expositions)で開催された会議において熱心な議論を交わしました。
GCCパビリオン
アリ I. アルナイミ石油鉱物資源相が、COP 21におけるサウジアラビアの代表団を率い、さらにまた、交渉期間の第2週目にはサウジアラムコ社長兼CEOのアミン・ナセルがサウジアラムコが設計・設置した1,000平方メートルの展示スペース、GCCパビリオンを訪れました。
交渉の進展に伴い、関係各国は、気候変動の軽減に貢献するイニシアティブや技術を紹介することにより、各国の気候変動管理計画を提示しました。GCCパビリオンの目玉のひとつは、気候変動問題の取り組みにおける王国の環境保護活動の実践を紹介した、中央の対話式技術ディスプレイです。
この展示の技術的コンテンツは、サウジアラムコ、 SABIC、 アブダッラー国王原子力・再生エネルギー都市、 キングアブドルアジズ科学技術都市 、リヤド市開発当局、ACWA パワー など王国の主要企業・機関によって提供されました。
展示
展示は、技術、再生可能エネルギー、エネルギー効率、適応化という4つの重点分野に分けられました。
技術に関するコンテンツでは、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)やクリーン技術(輸送燃料)、フレアの最小限化といったソリューション開発など、気候変動対策において技術が果たし得る役割を紹介しました。
再生可能エネルギーの分野では、ソーラー・風力・地熱エネルギーの進展を取り上げ、エネルギー効率の分野では、サンプル・プログラムによって進められた業務の効率化、バリュー・チェーンにおけるエネルギーと資源の節約、サウジエネルギー効率センター(Saudi Energy Efficiency Center)の役割など、王国が実践する一連のイニシアティブを紹介しました。
「適応化」の分野では、水の管理、砂漠化の抑制、都市計画、海洋保護を進めるための様々な活動が展示されました。
湾岸協力会議(GCC)構成国の石油・ガス会社は、二酸化炭素(CO2)を大気中に放出せずに地下に貯留する、CO2回収・貯留技術に関する研究を進めるために、巨額の投資を行っています。
サウジアラムコは、エネルギー効率、ソーラー発電、石油回収の改善など炭素管理に関する先見的な計画に加え、移動および固定セクターにおけるCO2回収・利用に関する研究開発計画も実施しています。
パリにおける交渉期間の第2週目に発言したアルナイミ大臣は、緩和・適応対策および革新的な技術の開発により、サウジアラビアがGHGの削減に貢献していることを強調しました。
「王国は、エネルギー効率やソーラー・風力エネルギーの利用、石油回収の増進に利用するためのCO2の隔離・貯留方法を改善しているほか、液体燃料からガスへの変換やクリーンエネルギーの分野における研究開発の促進等に貢献しています」とアルナイミ大臣は、他の閣僚や代表団の指導者達に述べました。
GCCパビリオンに加え、サウジアラビアはラ・ギャラリエ(La Galerie)に、サウジアラムコをはじめとする王国の主要企業・機関の技術を展示する220平方メートルの展示ブースを展開しました。
ラ・ギャラリエのKSA技術展示にサウジアラムコが紹介した革新的技術には、次のようなものがありました。
• 車載炭素回収・貯留システム(SCCS)実証車
• トラック用補助パワーユニット模型
• 輸送セクター効率化のためのガソリン圧縮着火(GCI)エンジン模型
• ソーラーパネルクリーニング用ロボット
• ウスマニヤCO2圧入石油増進回収法(CO2-EOR)断面縮尺モデル
王国は、技術的リーダーシップを気候変動問題の取り組みと環境管理の促進活動の中心に置いています。
サウジアラムコは、意識改革プログラム(Accelerated Transformation Program)の設置以降、先頭に立って王国の活動を支援し、研究開発計画に大幅なる投資を行っています。
グローバルに広がる研究開発活動
サウジアラムコの研究開発活動は、北米、欧州、アジアにおける研究センターの開設に伴い、今やグローバルに展開しています。研究センターは全部で11あり、うち6カ所では炭素管理関連の研究に携わっています。
グローバルな研究開発活動は、探査、精製、発電から世界のエンドユーザーに届けられる付加価値製品やソリューションまで、エネルギー・バリュー・チェーンの幅広い範囲をカバーしています。
ダーランにあるサウジアラムコの研究開発センターは、業務の質と環境性能の両方の改善を支援しています。
この二元的なアプローチは、炭素管理の分野では顕著です。サウジアラムコは、企業活動による環境フットプリントの低減だけにフォーカスするのではなく、GHGに関する世界で最も差し迫った課題へのソリューションを提供しようともしています。
業界でのリーダーシップ
先月にも、サウジアラムコは炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF: Carbon Sequestration Leadership Forum)から世界各国のエネルギー担当閣僚、政府関係者、専門家の皆様をダーラン本社に迎え、エネルギー効率化やCO2回収・貯留等のGHG管理において、サウジアラムコが業界の主導的立場であることを示しました。
CSLF閣僚会議の共同議長を務めるアルナイミ大臣は、米国エネルギー長官・CSLF閣僚会議共同議長のアーネスト・モニーツ(Ernest Moniz)博士をはじめ、豪州、カナダ、中国、チェコ共和国、フランス、韓国、英国の閣僚および閣僚レベルの政府関係者からなる代表団を案内しました。
アルナイミ大臣は次のように述べました。「私たちがここに集まったのは、共通の目的によって結ばれているからです。私たちが取り組もうとしているのは気候変動の問題ですが、そこで鍵となるのが技術です。このような課題を克服するには、各国の協力が必要不可欠です。この数日間のCSLFの会議に参加し、我々が正しい方向に向かっていると私は確信しています。とは言え、今後の道のりははるかに厳しいものになるでしょう。本日のサウジアラムコへの訪問でお分かりのように、サウジアラビアはその果たすべき役割を果たしております。そして世界では、多数の国々が、CSLFが示す方向に積極的に歩を進めていると聞き、喜ばしく思います」
2015年10月には、サウジアラムコは世界の石油・ガス会社9社とともに、COP21において有効な協定が締結されるよう、前例のない共同支持宣言を発表しました。
この共同宣言と同時に、石油・ガス気候変動イニシアティブ(Oil and Gas Climate Initiative)はレポート “More Energy, Lower Emissions” を発表しました。このレポートは、GHG排出管理を強化し、業界による気候変動への影響を削減するために、加盟企業が講じている実際の取り組みを紹介するものです。