サウジアラムコの最高技術責任者(CTO)、アハマッド O. アルコウェイターは、京都で近頃開催された「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」第12回年次総会に参加しました。サウジアラムコは、同フォーラム主要スポンサーの1社です。
アルコウェイターは、トタル、フィリップ モリス インターナショナル、JX日鉱日石エネルギー、日立、トヨタ、日産自動車など、世界中の大企業のCTOおよび最高科学責任者(CSO)が集まる同フォーラムCTO会議に出席しました。会議では、約40名の出席者が「The Future Role of CTOs (CTOの将来的役割)」というテーマで踏み込んだ議論を行いました。
「輸送用エネルギー」をテーマとするセッションでは、パネリストたちが将来の輸送に最も適したエネルギー資源について議論し、アルコウェイターがスピーチを行いました。
最も望ましい形の燃料は、コストと持続可能性の両面に配慮し、かつ高密度のエネルギーであるべきだと説明し、世界の総車両数が2040年までに倍増すると予測されていることを強調しました。
環境配慮型燃料
アルコウェイターはさらに、最も理想的なエネルギー燃料を明らかにするために、二酸化炭素(CO2)排出量という点でwell-to-wheel (石油の生産から自動車での消費まで)を使用しつつ、幅広いエネルギーミックスを詳細に検討する必要があると述べました。
また、石炭火力発電や電気自動車の事例から、これらのエネルギー利用に起因するCO2の総排出量は、well-to-wheel分析を用いると従来の燃焼機関自動車よりも最終的に高くなる可能性があると述べました。
アルコウェイターはまた、「CO2排出量削減を目指す最も即応的な解決は、従来の燃焼機関をさらに改良し、エネルギー効率を高めて環境によりやさしいものとすることです」と述べました。そして、新型燃料(オクタン価を抑えた揮発性燃料)を活用したガソリン圧縮点火エンジンの開発を目指すサウジアラムコのR&Dイニシアティブを出席者に紹介し、次のように述べました。
「エネルギー資源に対する全体的な見方をし、実現可能な分析をすることは非常に重要です」と述べました。
フォーラムは日本政府の後援を受け、世界100ヵ国近くから科学技術、政策、ビジネス、メディアなどの分野から1,000名以上のグローバルリーダーが参加しました。12回目にあたる今年のフォーラムは、人類の繁栄と持続可能な発展の推進のため、科学技術分野における踏み込んだ議論と交流の基盤へと変容しました。また、今年のフォーラムの政治レベルの出席者には日本とフランスの首相も名を連ねました。
テクノロジー・リーダーシップ
フォーラムのかたわら、アルコウェイターは日本経済新聞のインタビューに応え、サウジアラムコの最新のR&D活動を紹介し、新型揮発油とガソリン圧縮点火エンジンの開発について特に強調しました。また、日本の産業界および研究機関との継続的なコラボレーションと強固なパートナーシップの直接的成果として、いくつかの成功例も紹介しました(HS-FCC:高過酷度流動接触分解プロジェクト、検査ロボットなど)。
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