サウジアラムコ、石油・ガス業界のCEOとともに気候変動に取り組む共同宣言

サウジアラムコのアミン・ナセル社長兼CEOは、世界最大手の石油・ガス会社9社とともにパリで会合を開き、来たる国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において有効な気候変動協定が締結されるよう、共同の支持を宣言しました。これら10社を合わせると、世界の石油、ガス生産量全体のほぼ5分の1、そしてエネルギー供給の10%以上を占めています。

石油・ガス気候変動イニシアティブ(Oil and Gas Climate Initiative:OGCI)の画期的な共同宣言において、加盟企業10社のCEOは、多方面の分野において協力し、対策と投資を強化し、エネルギー部門における温室効果ガス排出量を削減するために役割を果たすことで合意しました。加盟企業は、サウジアラムコ、BGグループ、BP、ENI、ペメックス、リライアンス、レプソル、シェル、スタトイル、トタルの10社です。

パリで講演を行ったアミン・ナセルは、次のように述べました。 「これまでの実績が示すように、サウジアラムコはみずからの役割を果たすために尽力します。エネルギー効率化は、王国に利益をもたらし、そして最も信頼できる世界最大の石油・ガス生産者としての立場を維持するため、今後も我々の最優先事項としてあり続けるでしょう」 

「我々は、地球規模の課題に取り組むために、パートナーシップとコラボレーションが不可欠であると考えます。それ故我々は、OGCIの創設メンバーとなったことを誇りに思います。OGCIは、石油・ガス業界が気候変動対策の最前線に立つ一助となり、また、技術革新による業界主導のアプローチが唯一の実行可能な進路であることを示すものです」

また、OGCIは本日、共同レポート“More Energy, Lower Emissions”を発表しました。このレポートは、温室効果ガス(GHG)排出管理を強化し、業界による気候変動影響を削減するために、サウジアラムコなどの加盟企業が講じている実際の取り組みを紹介するものです。これらの取り組みには、天然ガス、二酸化炭素回収・貯留、再生可能エネルギーへの多額の投資、そして低GHG技術の研究開発などがあります。 

サウジアラムコの環境保護方針は、1963年に策定されました。また、サウジアラムコの包括的なエネルギー管理プログラムは、国家レベルのエネルギー効率化を促進するとともに、古い低効率なプラントを新しい高効率なハイテクプラントに刷新することによって、会社施設の効率性を継続的に高めることを目的としています。また、このアプローチは、ユーティリティー部門において燃料の大幅な節約を促す一助ともなります。さらにサウジアラムコは、産業および運輸部門に加えて住宅や商業施設におけるエネルギー使用の効率性強化を目指す「サウジ・エネルギー効率化プログラム」を支援しています。 

サウジアラムコの戦略にとって、イノベーションと先進技術はきわめて重要な要素です。エネルギー効率を高める実践および技術の事例として、次のようなものがあります。 

  • ガスフレアリング - サウジアラムコ全体でフレア処理されるガスの比率は、業界トップクラスの1%未満です。
  • ゼロエミッション技術 - 2014年、サウジアラムコは432の坑井でゼロ排出技術を展開し、石油・ガスの回収率を高めて、ガス76億標準立方フィート(SCF)と石油415,000バレルの回収を可能にしました。
  • よりクリーンな燃料と燃料効率 - 現在サウジアラムコは、様々な先進的研究開発(R & D)プロジェクトを行っています。たとえば、車両の燃費を向上させ、将来のエンジンによる汚染物質排出量削減のため、自動車メーカーとともに燃料並びにエンジンの効率化に取り組んでいます。
  • 二酸化炭素回収・貯留 - 2015年7月、サウジアラムコは、ウスマニヤ油田およびハウイヤの施設において、サウジアラビア初の二酸化炭素(CO2)圧入石油増進回収法パイロットプロジェクトを開始しました。プロジェクトによるCO2注入量は、年間80万トンにのぼる予定です。さらにサウジアラムコは、技術ベンチャー企業への投資も行っています。たとえば、効率的に、かつ利益をあげつつ、CO2をポリウレタンなどの高価値製品に転換することができる触媒を開発しているノボマー社(Novomer)などがあります。
  • 再生可能エネルギー - サウジアラムコは、液体燃料による発電に代わるものとして、300MWの風力およびソーラー発電プロジェクトを検討しており、現在プラントにおいて風力発電の実行可能性について調査を行っています。