アラムコ・ジャパン 、沙漠文化研究を支援

ワーディ・ファーティマの井戸(1970年代初め、片倉もとこ撮影)、 写真(右) 半世紀後、砂に埋もれた井戸(2015年、藤本悠子撮影)。井戸はもはや使われなくなっていましたが、近くの農園で動力ポンプによる灌漑がおこなわれていました。

サウジアラムコのCSRプログラムの一環として、アラムコ・ジャパンは片倉もとこ記念沙漠文化財団(MOKO-FDC)と提携し、沙漠文化に関する調査研究を促進するとともに、講演、展示会、シンポジウムを通して沙漠の芸術と文化を紹介していきます。これは、2014年12月18日に同財団と締結した協定に基づくものです。 

先般、沙漠文化財団の代表団がこの協定に基づきサウジアラビア王国を訪れ、アブドゥルアジーズ王世界文化センターを代表するチームが一行を迎え入れました。このセンターは、サウジアラビアと世界全体に豊かな知識社会を創出するというサウジアラムコのコーポレートビジョンを体現するものです。2016年開館予定の同センターは、知識、イノベーション、芸術的創造性の拠点となり、また、サウジアラビアと世界をつなぐ異文化交流の窓口となることを目的としています。 両チームは、サウジアラビアの文化、特に沙漠文化の伝統に対する理解を促進する今後のコラボレーションについて、意見やアイディアを交換しました。 また、沙漠文化財団の代表団は、歴史資料が保管されているサウジアラムコの技術情報センターも訪れました。

今回の訪問により、一行は、人類学者であった故片倉もとこ教授が半世紀近く前に行ったサウジアラビアの沙漠文化に関する研究を改めて評価したいという思いを抱きました。財団は、今年中に調査団を派遣し、故片倉教授の研究を50年後の視点で見つめ直すことを計画しています。 

 沙漠文化財団は、中東およびイスラム世界の研究に目を向けた故片倉もとこ教授の遺志により、2013年11月に設立されました。フィールドを重視した彼女の研究には、サウジアラビアの都市ジェッダに近いワーディ・ファーティマ地区において10年以上にわたり続けられた沙漠文化のフィールドワークがあります。これは、アラブ遊牧民の日常生活における独自の価値観など、中東文化について計り知れない洞察をもたらすものでした。 

沙漠文化財団の代表団は、風景は変わったものの、1970年代初頭に片倉教授が調査を行った現場で、教授が約40年前に知り合った人々と実際に会うことができました。