サウジアラムコの教育提携部門は最近、国際石油交流センター(Japan Cooperation Center Petroleum)(JCCP)との共催で、アル・コバール市内のホテルにて研修卒業生の同窓会を開きました。
JCCPとの共催によるこのイベントには、200名以上の招待客が参加しました。プログラムの主賓として、サウジアラムコのインダストリアル・リレーションズ担当上級副社長を務めるアブドゥルアジズ F. アルカヤール(Abdulaziz F. Al-Khayyal)が招待されました。サウジアラムコの経営陣からはこのほかに、エンプロイー・リレーションズおよび訓練担当執行取締役のフダ M. アルゴーソン(Huda M. Al-Ghoson)、訓練・開発部長のナーセル・アルナフィシー(Nasser Al-Nafisee)、政府関係業務部長のカーリッド・アルムルヒム(Khalid Al-Mulhim)が出席しました。
また、小寺次郎駐サウジアラビア日本国大使を始め、JCCP幹部、講師も出席しました。
冒頭の挨拶で、JCCPのリヤド事務所長がJCCPについて説明しました。JCCPは、石油産業の下流部門における産油国との技術協力や人的交流を促進する目的で、1981年に設立されました。その主な活動には、海外の技術者や管理スタッフの研修生としての受け入れ、日本人専門家の海外派遣、国際会議やセミナーの開催、研究および調査の実施などがあります。JCCPは、現在、下流部門に従事するプロフェッショナルを育成するために、サウジアラビアで研修を行っています。
アルカイヤールは、石油業界が最先端技術を使って事業を実施するためには、何十億ドルもの投資が必要になると指摘する一方で、企業にとって競争優位のカギをにぎっているのは人材だと訴えました。
「だからこそ、サウジアラビアにおいて、そして地域全体において、JCCPの取り組みがこれほど重要な役割を果たし、これほど歓迎されているのです」と、アルカイヤールは述べました。「石油専門職の研修や技術的知識、ベストプラクティスの共有、国境を越えたコラボレーションのネットワーク拡大に重点を置いて活動することにより、JCCPは私たちの人材力の向上に貢献しています。そのおかげで、彼らは会社にとって欠かせない人材となるだけでなく、世界中の多くのステークホルダーに貢献できる人材へと成長することができるのです。ここでいうステークホルダーには、私たちが石油を供給している日本の1億2千万人を超す人々も含まれていますが、こうした関係こそが相互に利益をもたらすコラボレーションであり、永続的で理想的なパートナーシップそのものと言うことができるでしょう」
日本国大使は、日本とサウジアラビアの関係の重要性を改めて強調しました。日本は、エネルギー資源の重要な供給元として、サウジアラビアの石油に依存していると述べました。だからこそ、JCCPは研修を行うことによって技術移転を確実に行い、生産だけでなく両国間の下流部門に従事するプロフェッショナルを育成するために、サウジアラビアで高度な研修を行っているのです。
また、リヤド製油所のアブドゥルラマン・スベイ(Abdulrehman Subaie)所長は、スピーチのなかで以下のようなエピソードを披露しました。彼のオフィスの隣で日本人の作業班がメンテナンス・プログラムを担当していた際に、日本人の労働倫理に初めて接したというのです。「日本人は非常に熱心に秩序だって作業をしていたため、予定より早く仕事を終わらせることができました。しかし、彼らの上司にそのことを尋ねると、作業の成果と優れた水準の方がはるかに重要だという答えが返ってきたのです。それがきっかけで、自分のためにも部下のためにも、JCCPのプログラムに関心を持ちました」
アルカイヤールは、JCCPのプログラムが両国にとって有益なものだと述べました。「これらのプログラムは、双方にとっても重要です。このようなコラボレーションの努力、そしてそれがもたらす揺るぎない友情が、今後も長年にわたって続き、発展することを願っています」