
循環型炭素経済
CO2は地球上で繊細かつ生命の安定したバランスを保つ重要な役割を果たしています。しかし何十年もの産業化により、大気中の温室効果ガスが過剰に蓄積されてしまいました。こうした過剰なCO2排出量を管理するための世界的取り組みとして、循環型炭素経済という概念を採用することは重要になっています。
循環型炭素経済とは
世界では多くの経済圏で、極めて多量の資源を一度使用しただけで廃棄しています。
こうした資源を何度も再利用するという考えを根幹として、循環型経済システムが考え出されました。そしてこのモデルは、世界の余剰的炭素排出量を取り込むシステムに容易に応用できます。
つまり、循環型炭素経済とは、排出される炭素を管理し低減するための枠組みといえます。これは自己完結型の循環システムで、削減(Reduce)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)そして除去(Remove)という4Rを基本とします。
アラムコでは、この循環型炭素経済という枠組みをCO2 排出量削減の手段と位置付けています。
4Rとは
削減 (Reduce)
エネルギー効率の改善やガスフレアリング削減がCO2 排出量削減に重要な対策であるのと同様に、再生可能エネルギーや水力発電、原子力発電、バイオエネルギーといった低炭素エネルギー源の開発を継続することも、CO2 削減にとって重要です。
再利用 (Reuse)
CO2 には価値があります。革新的技術を活用しCO2 を回収することによって、燃料やバイオエネルギー、化学品、建築資材、食品や飲料といった価値ある製品としての再利用が可能になります。
リサイクル (Recycle)
CO2 は化学反応により、肥料やセメントなどの新しい製品、または合成燃料などのエネルギーに変わります。
除去 (Remove)
テクノロジーを活用しCO2 を回収・貯留することは、CO2 排出量の大幅な削減を達成する可能性を秘めた重要な取り組みです。一方、植物の植生を通じて光合成によるCO2 吸収を促進することで、CO2 排出量削減に貢献できる可能性があります。

循環型炭素経済は、削減、再利用、リサイクル、除去を軸に、直線的な経済モデルから循環型経済モデルへ移行させます。

削減(Reduce):ガスフレアリングの低減
フレアリングは、石油・ガス産業界の安全確保に欠かせない重要な行為です。しかし同時に、CO2 の発生源でもあります。
当社は1970年代にマスター・ガス・システムを開始し、ゼロ・ルーティン・フレアリング・プログラムを導入してフレアリングで燃焼するガスの量を大幅に削減しました。
そしてこの取り組みは、緩めることなく継続しています。

再利用(Reuse):CO2 の利用と隔離
CO2 は、油層へ注入されることで原油採掘効率を上げることができると同時に、CO2 を隔離することにもなり、一挙両得の効果を得られます。
アラムコはサウジアラビア国内で、大規模な石油増進回収プロジェクトを実施しています。当社の天然ガス液プラントで回収したCO2 を85km先までパイプラインで運搬し、当社の油田で生産量が減少に転じた油田区域に注入するのです。
これにより、水圧破砕を実施した油井内に残留している原油の回収を助けます。この手法は石油増進回収法(EOR)と呼ばれ、注入したCO2 の一部は油層内に隔離されます。

リサイクル(Recycle):新しい素材への転換
回収したCO2 は、利用価値の高い素材として活用することができます。
CO2 は、農業を含め産業用として既にいくつもの活用方法がありますが、新たな方法も日々開発されています。
アラムコでは、耐久性と乾燥性に優れたセメントや炭素繊維、合成燃料の生産などを進めています。

除去(Remove):CO2 の回収
アラムコは今日までに、アラビア湾岸および紅海沿岸部で4,800万本以上のマングローブを植樹、さらに在来種の樹木400万本以上の植林を行いました。今後も数百万本の植樹を計画しています。
マングローブ林は生物多様性を促進し、生息環境の回復や天然の防護バリアとして沿岸部の浸食防止に役立つだけでなく、CO2 の天然吸収源にもなります。
当社の移動式炭素回収技術は、自動車の排気ガスからCO2 が放出されるのを防止することで自動車のCO2 排出量を最大4割削減できる技術です。実証試験を通じて、このシステムによる海運業界の排出量削減への貢献が大きく期待されています。
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