安全性と多様性の両立:従業員の安全を第一に

女性従業員のための耐火防護服のラインアップに新たなアイテムが加わりました。伝統を守るスタイルでありながら熱傷の危険も回避できる、インナーと一体型の二重織構造耐火シャツ、巻きタイプ耐火ヘッドスカーフ、フードタイプ耐火ヘッドスカーフです。

これまで現場作業には男性が就くことが圧倒的に多く、産業用作業服は長年男性用にデザインされたものばかりでした。しかし運転部門に携わる女性作業員が着実に増加していることから、サウジアラムコはこのたび、様々な個人用防護具(PPE)の見直しを行いました。

「サウジアラムコは、従業員の安全を常に第一に考えています。これまでもジェンダーや労働環境に関して提案が出されると、当社は速やかに対応してきました」と損失防止部門(LPD)マネージャーのガッサン・アブルファラージは語ります。

「PPEをワンサイズのみにしてしまうと、安全性が確保されなくなる可能性があります」と、アブルファラージは言います。「PPEは従業員を守るために欠かせないものであり、安全基準を満たすことはもちろん、着け心地の良さも求められます」

安全性とジェンダーの両立

現場に関わる従業員やコントラクターは、その役割によって耐火服やブーツ、手袋、ヘルメット、ゴーグル、防音具など様々なPPEを装着します。

アラムコは、女性がより安全・快適に働けるよう、女性従業員向けデザインの開発など、社内の耐火服(FRC)ラインアップを改善するプロジェクトを立上げました。

このプロジェクトのリーダーを務めた損失防止エンジニア、アニエラ・ザルザル・トラノとファティマ・バルナウィによれば、機能的な女性用PPEは単に男性用のサイズを変えれば済むものではなく、また特に中東地域では様々な配慮も必要ということです。

「女性は体形が男性とは異なり、また一般的に男性よりも小柄です。服が体に合っていないと、動きづらさや、機器に引っかかる、つまずく、といった危険もあります」とザルザル・トラノは言います。

バルナウィはさらに述べます。「サイズと安全性はもちろん、文化的な面も考慮しています。今回私たちは、安全性・快適性のみならず、女性従業員のための控えめな服装のデザインを考案しました」

そこで当社は、科学技術・イノベーション分野において世界をリードするデュポンとの提携のもと、安全性ガイドラインに準拠しながら、快適性や文化面にも配慮したFRCラインアップのカスタマイズに取り組みました。

試作を通して完璧さを追求

LPDとデュポンは18ヶ月にわたって粘り強く試作を重ね、安全性の観点からデザインや快適性を向上させるだけでなく、文化面にも配慮するよう努めました。

実用性の点について、ザルザル・トラノは次のように述べます。「この防護服は、火災発生時には身を守る最後の砦となります。そのためいくつものデザインを試作・検証して、どれが最高品質かを見極める必要がありました」

アブルファラージはこう述べます。「これはサウジアラムコの女性従業員のニーズに応えるだけでなく、この業界で働く女性のためより安全なFRCを開発するという革新的取り組みをリードする大変重要なプロジェクトでした」

「それは単に防護服のサイズを調整するという、誰でもできるような簡単なものではありません」とアブルファラージは言います。「このプロジェクトは現状を打破するものであると同時に、どうすればもっと改善できるか?という私たち自身への問いでもありました」

そしてついに誕生したのが、女性向けFRCのニューラインアップです。着用する人の安全性、文化面装着感を追求したもので、シャツやヒジャブも含まれます。具体的には以下を含みます。

  • 女性従業員のための、伝統を守るスタイルでありつつ熱傷の危険も回避できる、インナーと一体型の二重織構造耐火シャツ
  • 巻きタイプの耐火ヘッドスカーフ
  • フードタイプの耐火ヘッドスカーフ

火災の発生しやすい場所で働く従業員は、衣服の一番上にFRCを着用することが義務付けられていますが、その他従業員については、この新しい耐火シャツの着用は任意となり、従来のつなぎ服、通常のパンツ、シャツも選べます。

安全性だけではない効果

作業服を着用することで、従業員たちは会社の一員としての自覚や仲間意識を持ちます。このプロジェクトはそのような気風を強調したものでした。これまで男性中心だった業界で、より多くの女性たちは様々な役割を担い始めており、そうした変化への対応やイノベーションが求められています。

アラムコが常に最優先とするのは、従業員の安全です。また同時に、包摂的で尊重し合える環境も不可欠だと考えます。これらすべてを実現すべく、当社は全力を尽くします。

当社の安全基本方針により、業務上のあらゆる決定は、常に従業員やコントラクターの安全を第一に行われますが、今回の防護服ニューラインアップの開発は、この業界、そしてまさに当社の将来の方向性を示すものです。

「アラムコが国内外で様々な事業を展開する中で、当社はすべての従業員に、自分は会社に受け入れられている存在であり、仲間なのだと感じてほしいのです」と、安全・産業保全部門のバイスプレジデント、アーリ M. アルザハラーニは述べています。

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