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Aramco

アラムコは石油・ガスの生産を主要事業とする大手エネルギー・化学企業です。

世界的なエネルギー需要の増大に伴い、何十億もの人々の生活向上と資源の保全のために、需要への効率的な対応が不可欠となっています。また、エミッションの低減を進めつつ、需要に見合う安定した供給が必要です。

アラムコは、技術の力が、効率性と安定性の実現において不可欠と考えており、また、自社完全所有運営資産全体の温室効果ガス(GHG)排出量削減と、2050年までにスコープ1・スコープ2排出量のネットゼロを達成するという目標に向けても重要と考えます。 探鉱から生産段階に至るまで、アップストリーム事業を最適化する最先端ソリューションに積極的に投資しているのは、このためです。

こうしたイノベーションと事業拡大を通じて、エネルギーの安定供給を可能にすると同時に、気候変動に対する世界の取り組みを支援しています。

最先端技術を活用した事業の最適化で…

アラムコのアップストリームの各事業は、独自のGigaPOWERS油・ガス層シミュレーター、機械学習、高度な分析、AIを活用した各種ソリューションなどの洗練された技術で支えられています。また必要に応じて専属のデジタルチームによるイノベーションを図っています。こうした努力により、エネルギーを安全に抽出し、油・ガス層を評価し、アップストリームの生産活動を完遂することが可能になります。

エネルギーを必要な場所に確実かつ効率よく届けます

世界有数のエネルギー・プロバイダーとして、私たちは予測分析やリアルタイムのモニタリング、プロセスの自動化を駆使し、供給ネットワークの最適化とダウンタイムの最小化を図っています。こうした努力によって、産業界、ビジネス界、そして地域の営みが途切れないよう、安定供給を確かなものにしているのです。

責任を伴う信頼性

アラムコの自社技術は、地質学や地球物理学から掘削、油・ガス層エンジニアリング、生産エンジニアリングまで、アップストリームの広範な分野にわたります。これら数々のイノベーションに共通するのが、GHG排出量の削減を目指している点です。

当社のサステナビリティ・レポート2022で紹介しているとおり、2021年~2022年の全研究開発費の59%がサステナビリティ関連のプロジェクトに充てられました。さらに2024年には、アラムコのグローバル・ベンチャーキャピタル部門であるアラムコ・ベンチャーズへの割当資本を40億ドル増やし、合計75億ドルに拡大しました。この投資の大部分を、2050年までに自社完全所有運営資産全体で、スコープ1・スコープ2排出量ネットゼロを達成するという当社の目標に寄与するポテンシャルを持つ革新的新興企業の育成に投入する予定です。

主要データ

75億ドル

ベンチャーキャピタルへの割当資本総額(2024年)

59%

全研究開発費におけるサステナビリティ関連のプロジェクトの割合(2021年~2022年:4億3500万ドル)

-15%

2035年までの上流事業炭素強度削減量

~52MMtCO2e

2035年までの排出量削減量

実用性の高い技術

イノベーションをリードする

技術革新は、責任ある世界規模でのエネルギー供給を効率よく、安定的に維持する私たちの取り組みを支えています。イノベーションが加速する中、常に新しい技術の開発が進められており、以下に挙げる技術の中には今後の大規模展開に向けて準備中のものもあります。

大規模な事業体であるアラムコでは、数多くの新技術を社内で開発しています。例えば、当社独自のガス・油層シミュレーターGigaPOWERSは、私たちが求める仕様を満たす既存ソリューションが存在しないという状況から生まれました。

2023年にリリースされた最新版のGigaPOWERS(GP V9)は、塩水性帯水層内の3億トンにのぼる貯留二酸化炭素(CO2)を捉え、わずか8時間で20億セル規模の詳細なモデルを生成します。この処理能力のおかげで、2035年2030年までの炭素強度達成目標に向け、貯留層の最適な管理を順調に進めることができます。

進化する専門的技術

最先端の自社アップストリーム技術に加え、アラムコでは常に社内開発ネットワークを通じて新たな画期的進展を実現しています。その一例がデジタル・イノベーション・センターと当社のグローバルR&Dネットワーク、EXPECアドバンスト・リサーチ・センター(Exploration and Petroleum Engineering Advanced Research Center:EXPEC ARC)です。

私たちはAIとビッグデータ、産業型IoTを組み合わせたイノベーションを通じて、事業のあらゆる段階で安全性、効率、安定性を追及しています。以下はその一例です。

  • 当社の新しいロボット技術である自律型地震探査装置は、技術者の安全を確保しつつ、到達困難な場所へのアクセスと効率的な調査を可能にします。

  • Drilling at the Edgeは、採掘段階で、掘削装置上の人とセンサーと計算処理能力を一体化させる先進的なプラットフォームです。リアルタイムのデータを用いることで、専門家チームはより多くの情報に基づいたより確実な決定をより迅速に下しながら、オペレーションを効率化することが可能です。

  • ハイパワー・レーザーは、地下応用技術分野では業界初となる当社の穿孔ツールで、地層を損傷することなく独自の穿孔ネットワークを設計します。この技術の安全性を高めると同時に、環境への影響を低減する可能性が見込まれます。

  • • 責任ある水資源管理は、重要な環境課題です。当社が開発した排液ゼロソリューションは、油田・ガス田の排水から汚染物質や塩分を除去し、液体廃棄物の処分量を削減します。処理水は、油・ガス層のフラッキング作業で再利用でき、循環型水経済や水素生産の推進にもつながります。

これらを含む数々の革新的地下応用技術は、EXPEC ARCを通じて生み出されました。アラムコが責任あるエネルギー管理の最前線に立ち続けながら、イノベーション・リーダーシップを推進する取り組みを支えています。

高度な油・ガス層モデリング

私たちの事業では、炭化水素貯留層やその周辺の複雑な地質を理解することが不可欠です。地下数千フィートにある各坑井の中やその周囲に設置された常設センサーからは、データが絶え間なく送られ、コンピューターシステムを随時更新しています。

これらのセンサーをはじめとする数々のデータ取得の手法を通じて、貯留層の形成の履歴や現状だけでなく、数十年後の未来における状態変化についても高解像度の画像構築が可能です。

地質探査や3D、地震探査、地球化学、流体、掘削、そして生産などの各種データを詳細に解析することで、坑井配置や長期生産管理、新たな鉱床の発見をより効果的に実施できます。

また油田をデジタル化することで、予測解析を用いて有害事象を発生前に捉えることもできます。これにより、操業の安全性や効率を高めるとともに、運転中断を最小限に抑えています。ひいては、探鉱、抽出、生産のライフサイクル全体を通じて、情報に基づいた効率的で費用対効果の高い判断を可能にしています。

アップストリーム・メタバース

アラムコが新たに自社開発したデジタルプラットフォームのアップストリーム・メタバースは、操業データと各チーム、コラボレーションハブを1つの没入型環境に統合します。

この中で、管理者と技術専門員が異なるデータ領域間をリアルタイムで一緒に移動し、油・ガス層モデルや坑井モデル、地上施設などを点検することが可能になります。作業場所を選ばず、油・ガス田の詳細な調査、データモデルの細分化・精査、そして調査結果の照合を容易に行うことができます。

メタバース上で行われる油・ガス田レビューなど操業に関する重要なミーティングでは、技術者が仮想シナリオを実行し、得られた予測に基づいてその場で意思決定を下すことも可能です。

安全に明日を動かす

アラムコは、2035年までの温室効果ガス排出量削減目標の達成に向け、主要な5項目の優先事項を設定しています。その中には、アップストリームとダウンストリームの両資産におけるエネルギー効率の強化や、CO2 回収・貯留ソリューションの開発が含まれます。

私たちの技術革新には、これらの目標を達成するために不可欠な役割を果たす可能性が秘められています。効率の向上、省エネルギー化、そして低エミッションのエネルギーソリューションへの世界規模での移行への貢献を目指して、歩みを止めることはありません。

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たった一つのシンプルな疑問 –どのように?– この疑問が、私たちのすべての行動の原動力です。

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