アラムコの戦略的天然ガス増産計画、250億ドル相当の契約を発注し順調に進行中

6月30日、サウジアラビア、ダーランでのマスター・ガス・システムIII契約のアラムコ調印式
  • 野心的なジャフーラ・天然ガス田開発のフェーズ2が開始、約124億ドル相当の契約を発注
  • 同社のマスター・ガス・システム(MGS)のフェーズ3段拡大により約88億ドルの契約を発注
  • 23件の非在来型ガスリグ掘削契約(24億ドル相当)と2件の傾斜井掘削契約(6億1200万ドル相当)を追加発注に加え、ジャフーラでは13件の井戸掘削契約(16億3000万ドル相当)を2022年12月から2024年5月の間に発注
  • 本プロジェクトは、アラムコの天然ガス生産量の増加、ポートフォリオの多様化、エタン、天然ガス液(NGL)、およびコンデンセートの大幅に増量することを目的

総合エネルギー・化学企業の世界大手アラムコは、天然ガス生産量を2030年までに対2021年比で6割以上の増産するという戦略的なガス拡張計画を推進するため、250億ドル以上の契約を締結しました。

この契約は、広大なジャフーラ非在来型ガス田のフェーズ2、アラムコのマスター・ガス・システムのフェーズ3拡張計画、新規ガス掘削リグ、継続的な生産能力のメンテナンスに関するものです。

アミン・ナセル社長兼CEOは、このように述べています。「これらの契約発注は、天然ガスが重要なエネルギー源であり、川下産業にとって必要不可欠な原材料であるという当社の確固たる信念を示すものです。ジャフーラにおける現行の投資およびマスター・ガス・システムの拡張規模は、予想される需要増加に対応するため、さらなる天然ガス事業の統合と成長という当社の意思を明確に示しています。これは、当社のポートフォリオ多様化を補完し、新たな雇用機会の創出ならびに、サウジアラビアの低排出電力網への移行、つまり石油から天然ガスと再生可能エネルギー発電への緩やかな移行を推進するものです。当社が今日あるのは、世界水準のエネルギー基盤の構築・拡大への道に当社とともに参加した、サプライヤーやサービス・プロバイダーの広大なネットワークのチームの多大な努力と革新性、そして確固たる「やればできる」の精神が発揮された結果です。」

契約の発注

アラムコは、ジャフーラのフェーズ2開発に向けて、総額約124億ドル相当の契約16件を発注しました。本工事には、天然ガス圧縮設備と関連パイプラインの建設、ガス処理施設の建設を含むジャフーラ・ガスプラントの拡張、設備、硫黄、輸出関連設備の建設などが含まれます。また、ジャフーラから送られる天然ガス液(NGL)を処理するため、同社の新たなリヤス天然ガス液精留施設(NGL精留装置、ユーティリティ、貯蔵・輸出施設を含む)の建設もジュべイルにて予定されています。

加えて、サウジアラビア国内全域のお客様に天然ガスを供給するマスター・ガス・システム(フェーズ3)拡張開始に向けて、総額約88億ドル相当の一括ターン・キー契約15件を締結しました。この拡張はエネルギー省と共同実施され、約4,000kmのパイプライン敷設と17基の新規ガス圧縮装置の設置により、2028年までにネットワークの規模を拡大し、総生産能力を日量31億5,000万立方フィート(bscfd)増強するものです。

さらに、24億ドル相当の23件のガスリグ掘削契約と6億1200万ドル相当の2件の傾斜井掘削契約を獲得しています。一方、ジャフーラでは2022年12月から2024年5月にかけて、総額16億3,000万ドル相当の掘削契約13件を獲得しました。

ジャフーラにおける進捗状況

ジャフーラ非在来型ガス田には、229兆立方フィートの生ガスと750億ストックタンクバレルのコンデンセートが含まれていると推定されています。2021年11月に着工したジャフーラ開発プログラム(フェーズ1)は予定通りの進捗を見せており、操業開始は2025年第3四半期に予定されています。アラムコの見通しによれば、ジャフーラのライフサイクル投資総額が1,000億ドルを上回り、生産量が2030年までに日量20億標準立方フィートの持続可能な販売ガス量に達し、さらにエタン、NGL、コンデンセートの生産が大幅に増強するとのことです。

マスター・ガス・システムの拡張計画

アラムコのマスター・ガス・システムは、サウジアラビア全域のアラムコの主要なガス生産・処理拠点を結ぶパイプラインの大規模ネットワークです。今回の拡張により、産業や公共事業、その他の部門のお客様の国内ガス供給へのアクセスが増加することにより、発電用の石油に代わる温室効果ガス排出量の少ない供給源となります。1982年以来、このネットワークによって、石油生産中に放出される「廃ガス」としても知られる随伴ガスをフレアリングする代わりに輸送されてきました。これは、アラムコの技術革新と、排出量削減に向けた解決案の早期導入を示すものです。現在、随伴ガスと販売用ガスを輸送するこの先駆的なネットワークにより、アラムコは2012年以降、日常的なフレアリング排出量をほぼゼロにまで削減しています。これによって、フレアガス排出量を未加工ガス生産量全体の1%未満に維持することに成功し、上流部門における炭素集約度を業界最低水準とすることに貢献しています。

【メディア連絡先】

本件に関するすべてのメディアからのお問い合わせは、アラムコのメディア担当部署が承ります(英語)
Email: media.inquiries@aramco.com

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