アラムコ、サウジアラビア王国初の量子コンピューター導入に向けPasqalと契約締結

世界有数の総合エネルギー・化学企業であるアラムコは、中性原子量子コンピューターの世界的リーダーであるPasqalと、サウジアラビア初の量子コンピューターを設置する契約を締結しました。

この契約により、Pasqalは200量子ビットの量子コンピュータの設置、保守、運用を行い、2025年後半に配備する予定です。

アラムコ テクノロジー&イノベーション担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデントのアハマッドO.アルコウェイターは、次のように述べています。「アラムコは、Pasqalと提携し、最先端の高性能量子コンピューティング能力をサウジアラビアに導入できることを喜ばしく思います。急速に進化するデジタル環境の中で、当社は、インパクトのある新技術がもたらす機会を捉えることが極めて重要であると考えており、エネルギー分野における量子コンピューティングの利用を開拓することを目指しています。Pasqalとの契約により、当社はこの分野の第一人者の専門知識を活用することができ、当社のビジネスに最先端のソリューションを構築し続けることができます。これはまた、サウジアラビアのデジタル経済の成長に対する当社の貢献の新たな証でもあります。」

Pasqal CEO兼共同創設者のGeorges-Olivier Reymond氏は、次のように述べています。「量子コンピューティングの時代が到来しました。量子コンピューティングはもはや理論にとどまらず、実世界での応用へと移行しつつあり、これまで困難だった問題を大規模に解決する力を組織に与えています。2019年にPasqalを立ち上げて以来、当社は顧客のユースケースに即座に適用できる具体的な量子コンピューティング アルゴリズムに力を注いできました。今回の契約を通じて、当社はサウジアラビアでこの革新的な技術の商業的普及を加速させる最前線に立つことになります。これは単なる量子コンピューターではなく、産業用途に展開される最も強力なツールとなり、ビジネスと社会のイノベーションの新時代を切り開くものです。」

量子コンピューターは当初、「アナログモード」と呼ばれるアプローチを採用します。翌年中に、システムはより強力で、さらに複雑な問題を解決できる、より高度なハイブリッド「アナログ・デジタルモード」にアップグレードされます。

Pasqalとアラムコは、量子コンピュータを活用して新たな利用ケースを特定し、サウジアラビア国内に量子研究の強豪国を設立するという野心的なビジョンを持っています。これは、量子アルゴリズム開発におけるブレークスルー(量子コンピュータの真の可能性を解き放つための重要なステップ)を育成する目的で、一流の学術機関を巻き込むことになります。

この合意はまた、2023年にサウジアラビアに事務所を設立したPasqalのサウジアラビアでの活動を加速させるものであり、2022年に両社がエネルギー分野における量子コンピューティングの能力と応用について協力する覚書に調印したことに続くものです。2023年には、アラムコのWa'ed VenturesもPasqalのシリーズB資金調達ラウンドに参加しました。

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