アラムコ・アジアの寄稿がNikkei Asiaに掲載されました

アラムコ・アジアの研究開発施設にて2名の研究者

アラムコ・アジア代表取締役社長アンワール・ヒジャズィの寄稿「アラムコ・アジアの見る、楽観論の根拠」が、Nikkei Asiaに掲載されました。

 原文(英語版)はNikkei Asia サイトにてお読みいただけます。 For English, please click here (go to Nikkei Asia site)



アジアで最も重要なエネルギー関係の未来
アラムコ・アジアの見る、楽観論の根拠

多くの国が現代最大の衛生危機、経済危機に直面する中で、新型コロナウィルス感染症が地球のクリーンな未来に向けた取り組みに影を落とし、脱線させるのではないかとの懸念が持たれています。

このような状況の中、アジアは他のモデルとなるような素晴らしい道を切り開いてきました。各国は、新型コロナウィルスの拡散を阻止するために必要な断固たる行動をとってきました。同時に、中国、日本、韓国が設定したカーボンニュートラルの目標や、中国の「双循環戦略」に見られるように、長期的な戦略的使命にしっかりと焦点を当てています。

信頼性が高く、安価で持続可能なエネルギーシステムは、アジアと世界各地で経済的繁栄を実現するために不可欠なものとなるでしょう。同時に明らかなのは、進化し続けるグローバルなエネルギーミックスへの代替技術の貢献が伸びていく一方で、既存のエネルギー源への依存は続くということです。アラムコは、低炭素なエネルギーの未来への移行を進めるアジアの経済を支援する準備ができています。

世界最大の総合石油・ガス企業であり、炭化水素生産量あたりの二酸化炭素排出量が最も少ない企業の一つであるアラムコは、アジア地域で重要なサポート役を果たすことができる立場にあります。

アジアとアラムコは、すでに緊密なエネルギー関係を構築しています。2020年、当社はアジアの総石油需要の約11.3%に相当する、日量平均510万バレル以上をアジアの顧客に向け輸出しました。この実績は、地球規模の不確実性と世界的なパンデミックにもかかわらずのものです。すべての国々、特に輸入エネルギーに依存するアジア諸国は、その成長意欲を刺激するため信頼できるエネルギー供給者を必要としており、COVID-19時代においては、エネルギー安全保障と信頼性がかつてないほど重要となっています。

しかし、私たちが行っているのは、世界で最も急速に成長している地域に信頼できるエネルギーを供給していることだけではありません。アジアに拠点を置き、雇用の創出、トレーニング、主要産業の繁栄を可能にする広範な活動を通じて、経済成長に貢献し、その過程で地域社会を活性化しています。

今後は、マレーシアのペトロナスとの製油所・石油化学合弁会社であるPRefChemをはじめとする新たな下流資産の操業開始に伴い、アジアへの原油輸出が増加する見込みです。一方、下流部門への投資は、当社の既存事業および今後の拡大戦略に不可欠な中国、インド、東南アジアなどの高成長地域や、日本、韓国など原油の輸入に依存している国々に引き続き注力していきたいと考えています。

ゼロカーボン発電用に昨年実施した、世界初となる日本向けブルーアンモニア出荷が明らかにした通り、私たちのアジアへの取り組みは、原油の輸出や精製にとどまりません。国際的なガスやLNGへの進出は、より少ない排出量でより多くのエネルギーを必要とするアジアのニーズに応える一つの手段です。私たちは、低炭素エネルギーのソリューションに真剣に取り組んでおり、そこにはアジアのパートナーと将来のクリーン燃料についてさらに協力していくエキサイティングな機会があると確信しています。これはサウジアラビアが深く関与し、昨年G20の承認を得た「循環型炭素経済」に基づく戦略です。CO2の排出を削減、再利用、リサイクル、除去することを目的としており、従来は汚染の原因となっていたプロセスを効果的に脱炭素化することで、気候変動への取り組みを支援します。

SABICの株式の過半数を取得したことで、当社は世界的な大手化学メーカーともなる業容拡大を実現し、相互に有益な関係をさらに拡大する可能性を広げることとなりました。バルク石油化学製品から、コンクリートや鉄などの炭素集約型材料を代替する高度な複合材料まで、私たちは各国のカーボンニュートラル目標に貢献することが可能です。例えば、最先端の非金属素材の進歩を通じて、建設、住宅、再生可能エネルギーの分野で、より持続可能な機会を約束します。

アジアは既に、アラムコが将来を見据えた幾つものプロジェクトを行う本拠となっています。例えば、北京で試験が行われている主力の「Catalytic Crude to Chemicals」プロセスは、原油を直接石油化学製品に変換する未来的な技術です。また、日本とのブルーアンモニアのパイロットプロジェクトや、韓国のCO2マネジメントセンターへの協力も行っており、炭素の回収、変換、貯蔵、排出回避のための革新的なソリューションを開発しています。また、中国が2030年までに温室効果ガス排出ピークアウトを達成するための「中国自動車低炭素化行動計画」にも、当社の専門家が貢献しています。

当社がアジアのエネルギーと化学品の安全保障に提供できる様々な貢献は、これまで以上に明確です。より多くのエネルギーをより低炭素で供給する機会は、かつてないほど説得力あるものです。アジアとアラムコの関係が将来に向けさらに緊密になるという見通しは、2020年の混乱にもかかわらず、楽観論の源流なのです。

アラムコ・アジア代表取締役社長アンワール・ヒジャズィ

${ listingsRendered.heading }