世界初のブルーアンモニア輸送が拓く持続可能な未来に向けた新しい道

  • 持続可能な水素利用・サーキュラー・カーボン・エコノミー(循環型炭素経済)に向けて重要な一歩を踏み出す
  • ハイグレードブルーアンモニア40トンをゼロカーボン発電用に既に出荷、サウジアラビアから日本に向けた供給ネットワークの実証試験は順調に進む

サウジアラムコと一般財団法人日本エネルギー経済研究所(IEEJ)は、日本の経済産業省の支援を受けて、サウジ基礎産業公社(SABIC)との協力のもと、サウジアラビアで生産したブルーアンモニアを日本に向けて輸送する実証試験を開始しました。40トンのハイグレードブルーアンモニアは既にサウジアラビアを出発しており、日本ゼロカーボン発電用に供されます。

エネルギーシステムにおいて、水素の役割に対する期待が世界的に高まる中、本日の発表が行われました。アンモニア(NH3)は、3つの水素原子(H)と1つの窒素原子(N)からなります。世界が直面するエネルギー需要増大に対し、ブルーアンモニアは、信頼性ある、経済性の高い、そして持続可能な方法で、これに応えてゆくことができると考えます。

サウジアラビアと日本を繋ぐブルーアンモニアの供給ネットワークは、炭化水素から水素を取り出しアンモニアを合成するというプロセスばかりでなく、そのプロセスから発生する二酸化炭素(CO2)を回収し隔離するというプロセスをも含むバリューチェーンとなっています。

日本の発電用途のブルーハイドロジェン供給に伴う様々な課題を克服し、回収されたCO2  30トンはSABICのイブンシーナ工場でメタノール製造用の原料として用いられ、別の20トンはサウジアラムコのウスマニア油田で石油増進回収(EOR)のため利用されます。

世界全体へと拡大した、サーキュラー・カーボン・エコノミーの考え方の中には、幾つかの道筋がありますが、画期的な本実証試験は、そのうちの1つを具体的に示していると言えます。この枠組みでは、排出されるCO2を大気に放出せず、排出の削減はもとより、除去、再循環、再利用を行います。

 

サウジアラムコCTOアハマッド O. アルコウェイターはこう述べています。

「グローバルなエネルギーシステムにおいて、水素利用は成長が見込まれる。この世界初となる実証試験は、炭化水素が持つ、低炭素の水素およびアンモニアの、信頼性・経済性の高い供給源としての潜在力をアラムコが紹介する、大変素晴らしい機会だ。このマイルストーンはまた、サウジアラビアと日本の間の素晴らしい国境を越えた多産業パートナーシップを際立たせるものだ。多国間パートナーシップはサーキュラー・カーボン・エコノミー実現の鍵であり、G20議長国サウジアラビアが支持している。アラムコは世界中の様々なパートナーと共に働き、低炭素エネルギー生産とグローバルな気候問題への取り組みを実現するため、画期的技術の展開を通じて解決策を発見していく」

IEEJ理事長兼CEO豊田正和氏はこう述べています。

「ブルーアンモニアは、日本にとって、環境と経済を両立させつつ、ゼロカーボンエミッションを達成するという野心的な目標にとり不可欠のものである。ブルーアンモニア3,000万トンを発電に利用すれば、日本の発電量の約10%を占めることになる。まずは、既設の発電所でブルーアンモニアを混焼することから始め、将来的には、ブルーアンモニア100%の専焼に移行することになろう。日本と同様、地質上の制約からCCSやEORを必ずしも十分に活用できない国々がある。カーボンニュートラルなブルーアンモニアは、この地域的な不整合を解消する一助となる」

SABICエネルギー効率化・カーボンマネジメント部門バイスプレジデント ファハド・アルシェレヒ博士はこう述べています。

「SABICは、水素やアンモニア製造する際に排出されるCO2を回収して、ブルーアンモニア/水素を生産する場合、現在所有している設備やインフラを効果的に利用することができる。統合化された石化設備と一体となった包括的なサプライチェーンでの我々の経験は、世界各地へブルーアンモニアを供給する際には重要な役割を演じることになろう」

アンモニアは重量ベースで約18%の水素が含まれます。また、既に世界的規模で化学製品として市場で取引されています。火力発電所における燃焼時には、排出されるCO2はゼロです。また、未来において、経済性と信頼性の高い低炭素なエネルギー源として、重要な貢献ができる可能性を秘めています。三菱商事株式会社は、IEEJスタディーチームで中核を担っていますが、他のメンバーである、日揮グローバル株式会社、三菱重工エンジニアリング株式会社、三菱造船株式会社及び宇部興産株式会社の支援・協力を受けながら、SABICとともに、本実証試験の輸送・物流面での責務を担っております。


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