CTO、気候変動に取組む枠組みについて講演: 私たち全ての課題-今世紀中の温室効果ガス実質排出ゼロ達成

10月6日、京都で開催された「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム（STSフォーラム）」が開催されました。

サウジアラムコの最高技術責任者アハマッド O. アルコウェイターは講演を行い、「温室効果ガス実質排出ゼロを今世紀中に達成することが、私たちの世代に課せられた使命です」と述べました。フォーラムには、13名のノーベル賞受賞者をはじめ、科学者、ビジネスリーダー、政策立案者など80の国と地域から1,400名以上が参加しました。

世界のエネルギー需要を満たし、環境問題にも対処する

過去100年の間、主に化石燃料などの豊富で手頃なエネルギーが、生産性の向上や開発を支えてきました。それにより人々の生活の質がかつてないほど向上し、平均寿命も2倍にまで延びたことを、アルコウェイターは指摘しました。

「過去25年間をみても、エネルギーが容易に利用できるようになったことで、10億人もの人々が貧困から救い出されました。今や電球が私たちにとって当たり前のものであるように、これはまさにエネルギーがもたらす光なのです」

「今日私たちは、安心かつ誰もが入手できる方法で増大する世界のエネルギー需要を満たしつつ、将来世代のためにサステナブルな環境を確保するという二重の課題に直面しています」

“サーキュラー・カーボン・エコノミー（炭素循環社会）”は、温室効果ガス排出削減目標に向けてあらゆる方法を検討し、努力を奨励していくという新たな取り組みです。アルコウェイターは、このような状況だからこそ科学技術の役割は重要であり、科学者や企業のみならず、政府を含め一丸となって、大規模に展開可能な解決策に取り組むべきだと強調しました。

科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム（STSフォーラム）

 京都で毎年開催されるSTSフォーラムは、世界各国の産・官・学のリーダーたちが一堂に会するハイレベルな国際会議で、科学技術がもたらす機会を探求し、さらに人類が直面している課題をいかに科学技術で解決していくかに焦点を当てています。フォーラムでは、エネルギーやライフサイエンス、医療、情報通信技術、教育など、科学とイノベーションの観点から幅広いトピックを取り上げています。アルコウェイターは、「エネルギーと環境の光と影」というテーマのセッションで講演しました

日本は今年のG20の議長国を務め、カーボンリサイクルの推進においてリーダーシップをとっています。