サウジアラムコ、若者の夢を応援

奨学金贈呈式で保護者やYIS教員と記念撮影に臨む今年度の横浜国際高校(YIS)サウジアラムコ友好協会奨学生、時凌斯琦さん、富岡亜美奈さん、古川可緒梨さん(前列に着席する3名の女子生徒、右から)。一緒に写っているのは、YISの昨年度校長の森慎二先生(後列、右から3番目)、新校長の桜田京子先生(前列、右から2番目)、AAJ執行役員購買・運輸担当本部長のアブドゥルラフマン・アルモグレン(後列、右から4番目)。

先般、第7回「サウジアラムコ友好協会奨学金」が、神奈川県立横浜国際高等学校(YIS)を卒業する生徒3名に贈呈されました。

YISは、日本で初めてアラビア語講座を授業に導入した公立高校であり、アラムコ・アジア・ジャパン(AAJ)は、教室の設備を充実させるとともに毎年優秀な生徒に奨学金を贈呈することにより、同校に支援を行ってきました。 

AAJの執行役員購買・運輸担当本部長のアブドゥルラフマン・アルモグレンが、AAJを代表して日本語で生徒に祝辞を述べました。「外国語を話せるということは、大きな財産であり、視野を広げ、人生を豊かにします。私も現在、妻と一緒に日本語を勉強しているので、みなさんと同じ苦労を経験しています。外国語を身に着けるということは簡単に成し遂げられるものではありません。これからも頑張りましょう」と、アルモグレンは話しました。

奨学生の1人である富岡亜美奈さんは、AAJへの感謝を次のように伝えました。「心から光栄に思い、感謝しています。これからもアラビア語の勉強を続け、中東への研修旅行に参加するために奨学金を使わせていただきたいと思います」

信念を現実に

アラムコとYISの関係は、2010年に遡ります。日本の高校としては珍しくYISがアラビア語講座を導入していることを知ったAAJが、同校に働きかけたことから始まりました。この取り組みは、アラビア語が国連公用語の1つで、世界中で話されており、また、アラブ/イスラム世界を正しく理解することはグローバル・シチズンにとって重要であるという、当時の羽入田眞一校長の信念に基づくものでした。 

これまでに167名の生徒が、YISでアラビア語講座を受講しました。他の言語に比べて受講者数は少ないものの、アラビア語を学ぶ生徒たちは、熱意をもって真面目に取り組んでいます。

「YISでアラビア語を勉強したおかげで、日本料理とハラルフードを組み合わせた画期的な料理を提供するレストランを経営したいという夢ができました」と、奨学生の時凌斯琦さんは述べています。

前向きな変化

新たにYISの校長に就任した桜田京子先生は、以前からこのプロジェクトに関わり、その歩みを目の当たりにしてきました。先生は、教育委員会の一員としてこのユニークなプログラムの立ち上げを見守り、外部からの立場でYISとの調整にあたってきた日々を振り返ってくれました。

「それは前例のないチャレンジでした。ですが、奨学金制度とサウジアラビアYIS友好教室ができて、大変ありがたく思ったことを今でも覚えています。2014年に自分がYISの教頭に着任したとき、プログラムが引き続き健在であったことに、いっそう感激しました」

「当校は、様々な形でアラムコとの友好関係を享受しています。AAJからの訪問者と交流することが刺激となって、生徒たちはアラビア語をもっと学び、イスラム文化や幅広い国際情勢への理解を深めたいという気持ちになっています。生徒たちの多くは、大学でも学習を続けたいと考えています」と、桜田校長は述べました。

明日への夢

生徒たちが学園祭で、アラブ風カフェを開きAAJからの来訪者をコーヒーとデーツでもてなしてくれたことが示すとおり、当初の簡素で儀礼的な付き合いが、年月を重ねるうちに人と人とのつながりへと深まりました。

YISで学ぶメリットのひとつが海外姉妹校との交換留学プログラムです。生徒たちは、自分が学ぶ言語を話す同年代の生徒たちと交流する機会を得ることができます。「サウジアラビアの高校との結びつきを作ることは、私たちのかねてからの夢です。いつの日か日本の生徒たちをサウジアラビアに連れて行き、生徒たちがサウジアラビアのことを学び、現地の生徒と交流できるような交換留学プログラムを実現できたらと思います」と、桜田校長は述べています。

YISでは新年度が始まり、13名の新入生が6つの第2外国語の中からアラビアを学ぶことを選択しました。「日本の若い世代の人々が、私たちの国の言葉と文化をみずから学ぼうとしていることを、大変嬉しく思います。この生徒たちが将来、日本とアラブ世界、そして世界の他の地域との懸け橋として重要な役割を果たしてくれるものと、大いに期待しています」と、AAJの代表取締役社長アンワール・ヒジャズィは述べています。